オーストラリア・ワインの最大産地、南オーストラリア州を紹介 ~エコナビ・オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!

乾燥と寒暖差を利用した世界屈指のワイン産地-南オーストラリア州-
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ご報告が遅くなりましたが・・・環境情報サイト「エコナビ」で連載中の『オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!』にて、オーストラリア・ワインの最大産地、南オーストラリア州を紹介しています!

州都アデレードをはじめ、日本ではあまり馴染みのない州かもしれませんが、実は、ミナミマグロの最大漁獲地であり、そのほとんどは日本へ輸出されています。また、マグロ以外にもロブスターやアワビなど、日本人にたまらないシーフード天国♪

マグロに関する面白いお祭りもご紹介~(^O^)/

そして、さらに、世界屈指のワイン生産地でもありますので、グルメにはたまらないディスティネーション!

そんな知られざる南オーストラリア州の魅力とユニークな生態系を手短に読めるコラムにまとめました。

乾燥と寒暖差を利用した世界屈指のワイン産地-南オーストラリア州-

乾燥と寒暖差を利用した世界屈指のワイン産地-南オーストラリア州-

乾燥と寒暖差を利用した世界屈指のワイン産地-南オーストラリア州-

今回で6回目となる『オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!』シリーズでは、オーストラリア各州の特徴をわかりやすく、手短につかんでいただけたらと思いながら筆を進めています。

この後も、西オーストラリア州、ノーザンテリトリーと続きますので、乞うご期待!?

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住18年。詳細なプロフィールはこちら。
執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

世界でいちばん空気がきれいな島、タスマニア州を紹介 ~エコナビ・オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!

タスマニア州の動物「タスマニアデビル」
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ひとつの国といえども、訪れる場所によって、まったく違う顔を見せるオーストラリア。それぞれの特徴を州ごとにわかりやすく、手短に紹介していくコラム・シリーズ『オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!』、第5回目は「タスマニア州」です!

タイトルはずばり!↓↓↓

原始の森に包まれた世界でいちばん空気がきれいな島 -タスマニア州-

日本でも大手スーパー等へいくと、「タスマニア産ビーフ」といったようなラベルを目にすることもあるのではないでしょうか?

オーストラリア国内では、唯一孤立した『島』でもあるタスマニア州。お隣は南極というロケーションですから、オーロラだって見えちゃいます!!

タスマニア州は、国内でもひときわ厳しい独自の農業規制基準を設け、安心で質の高い農産物を作ったり、島内の電力の大部分を水力発電で賄うなど、タスマニアならではのエコで素晴らしい取り組みがたくさんあります。

そんな取り組みをいくつかご紹介しながら、気候や生態系などに触れ、州の特徴が手軽にわかるようにまとめてみました。オーストラリア国内の他の州とは違うタスマニア州の“すごさ”がよくわかるコラムになっていると思います。(自画自賛w)

このコラムを読めば、最後の氷河期には本土と繋がっていた名残を探しに、あなたもきっとタスマニアへ出かけてみたくなるはずです!?

原始の森に包まれた世界でいちばん空気がきれいな島-タスマニア州-

原始の森に包まれた世界でいちばん空気がきれいな島-タスマニア州-

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シドニーを襲った100年に一度の猛烈な嵐が示唆するもの

シドニー北部沿岸部で被害にあったビーチフロントのカフェ&パブ
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 2016年6月3日の夜から5日にかけて、シドニーを100年に一度という猛烈な嵐が襲いました。

 今回の嵐は、北からの暖かく湿った空気が大量の雨と強風をもたらし、ブリスベン辺りから南下しながら移動。シドニーに到達する頃には、サイクロン(台風)のカテゴリー1級となり、わずか2日程度で6月の平均降雨量に達したほど!

 嵐の通過ルートとなった東部沿岸部一帯で、川の氾濫や貯水池が溢れるなどして洪水が発生、各地で大きな被害を出しました。

 中でも、最も大きな被害が出たのが、シドニー北部ビーチ『ノーザン・ビーチズ』と呼ばれる地区の湖と海に面したエリアです。かつてないほどの豪雨に見舞われ、大量の雨水が湖に流れ込み、湖があふれ、周辺の住宅地が浸水。

 その上、5日がちょうど新月に当たり、大潮(潮の干満の差が最も大きくなる)となったことから、満潮時には2m以上海面が上昇。この湖は、海と繋がっているために、満潮時には湖面も上昇し、さらに大量の水が周辺の住宅地に溢れだしてしまったのです。この結果、この地区の住民数百人が避難を強いられることになりました。

 また、海面上昇と共に猛烈な嵐が高波を引き起こすことが予想されたため、海に面した住宅はとくに注意が必要でした。

 実は、嵐が本格化する前の3日午前中のうちに、SES(State Emergency Serviceの略で、州の緊急救助隊)が、『津波避難マップ』を発表していました。これは、津波などによって洪水が発生した場合、どの辺りがどの程度浸水し、被害がでるかをシュミレーションしたものです。

 しかし、SESのFacebookにこのマップのことが投稿された途端、「この嵐によって、こうなるというの?」「こんな時に発表しなくても!」などと、批判的な書き込みが相次ぎ、パニック騒ぎとなったため、SESが「津波警報ではない」とコメントを発表するなど、大きな騒動に発展。人々は、被害に遭うことなど想定しておらず、他人事のように思っていたのかもしれません。

Tsunami evacuation maps for Sydney and NSW making waves on social media
‘This is not a tsunami warning’: Evacuation maps cause panic

 ところが、実際、シドニーに嵐がやってきた時、まさにこのマップの避難レッド・ゾーンとされたエリアが、とんでもない被害に遭ってしまったのです!

 猛烈な嵐が引き起こした高波が、満潮時の高潮と相まってその威力を増し、海は大荒れ。津波避難マップでレッド・ゾーンで示されたビーチ・フロントの住宅に、巨大な波が襲いかかりました。

 波の破壊力は凄まじく、ビーチ(砂浜)が50メートルほどそっくりさらわれ、住宅の一部が崩壊。プールや塀、バルコニーの土台などが海側へ落ちてしまいました。この住宅は、嵐が去った今でも、高潮による大波が押し寄せているために、毎日、徐々に土地がえぐられ、今にも家屋が落ちそうな状態になっているところもあります。

 実は、このビーチは、以前から専門家らがこうした危険性を指摘しており、シー・ウォール(防波堤)を造る計画がありました。2002年には、該当カウンシル(役所)が、1.1kmほどのシー・ウォール造成計画を発表したところ、住民らの猛反対にあい、数千人規模のデモに発展。計画がとん挫した経緯も…。

Wall of humanity lines up against councils November 18 2002

 その後、2014年にもシー・ウォール造成が議会で認可承認されたのですが、費用をだれがどの程度負担するかで揉め、計画途上となっていたのです。

 というのも、こうした問題は、関係するのが個人の所有地となり、それを造ることによる恩恵を受けられるのは、あくまでもそこに住む住民のみですので、公費(税金)をどこまで投入していいのか、という難題がつきまといます。無関係の住民は、税金が使われることに反対の立場をとるでしょう。

 シー・ウォールを造るのには、一軒当り140,000豪ドル(現在のレートで1,116万円程度)かかるそうですので、喜んで払いたいという人は少ないでしょうし、ましてや自分にはなんら関係のない人が、支払った税金が使われることを嫌がるのも無理からぬ話。

 とはいえ、カウンシルと州政府もこのまま放置するわけにもいかず、該当住民と話し合って、被災した住宅が面している海側に共同でシー・ウォール造るという話になってきていますが、わずか500メートルほど1ブロック先の住民らは、「うちだってまったく被害がないわけじゃないし、今後、同じようなことが起こらないとも限らないのに、うちのところには造ってもらえないなんて!」と、不公平感をあらわに…。

 それに津波だけに限らず、川が氾濫しやすく、洪水が起きやすいエリア、豪雨などで地滑りが起きやすいエリア、この国ならブッシュ・ファイヤー(森林火災)が起きやすいエリアなど、様々な自然災害の危険性が高いとされるエリアは、言い出せばきりがないほど、他にもたくさんあります。

 高波に襲われる危険の高いビーチ・フロント住宅のみ、役所や州政府の援助の下で災害対策が施されるのはフェアじゃない!他にもあるこうした様々な自然災害の危険と隣り合わせで暮らしている住民たちへの援助はどうなるのか?など、厳しい意見もチラホラ……。

 ビーチ・フロントの家は、たしかに風光明媚で、住んでいて気持ちいいことでしょう。毎日、目の前に広がる海を眺めながら暮らせるなんて、なんて贅沢な!と思う人も多いと思いますが、こうした被害に遭うリスクは、どうしても高くなることは否めません。リスクを覚悟で住むか、という問題に直面しそうです。

 今回の件で改めて感じたのは、住むところを決める時は、可能な限りリスクの低い場所を選んだほうがいいよなぁ…ということ。自然の脅威は、人間が推し量ることなどできないと認識しておくことが重要だとつくづく実感したのでした。保険会社や役所との骨の折れる交渉も含め、誰の責任だとか、誰の(何の)せいだとかいう面倒な闘争にも巻き込まれたくないしね…(^_^;)

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エコレポ更新: マイ・ボトルのススメ。-バリ島沖に浮かぶ小さな島のカフェの挑戦 ~サスティナブルなDIY生活のヒント

マイ・ボトルのススメ。-バリ島沖に浮かぶ小さな島のカフェの挑戦
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 エコナビで連載中の「サスティナブルなDIY生活のヒント」第6回が更新されました!

 第6回のテーマは、プラスチックのゴミ問題。その中で今回焦点を当てたのは、日常多くの人が手にする「ペットボトル飲料」です。手軽に買えて便利なペットボトル飲料ですが、飲み干された後にどうなっているのか?

 バリ島沖の小さな島・レンボンガン島で、自分たちの暮らす美しい海とビーチを守ろうと立ちあがった小さなカフェの取り組みと、オーストラリアにおける取り組みをご紹介しています。

エコレポ『サスティナブルなDIY生活のヒント』 第6回:マイ・ボトルのススメ。-バリ島沖に浮かぶ小さな島のカフェの挑戦

 日々のライフスタイルの見直しや環境保護に興味のある方に、何かのヒントになればという願いからこのコラムを書きはじめました。連載も終盤となってきてしまいましたが、よろしかったらシリーズを最初から通しでお読みください♪



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エコレポ更新: 食品の流通を考える。~サスティナブルなDIY生活のヒント

エコナビ更新:食品の流通を考える。~サスティナブルなDIY生活のヒント
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 またまたブログに書くのがすっかり遅くなってしまったのですが、エコナビで連載中の「サスティナブルなDIY生活のヒント」の第5回が更新されています。

 第5回は、「食品の流通を考える。」と題し、西オーストラリア州で強く実感した“地産地消”のあり方、長距離輸送とフードマイレージについて考察してみました。

 普段、この食品はどこから来たものだろう?と、深く考えずに購入することも多くなっているご時世ですので、このコラムを読んで、少し別の視点から考えてみるキッカケになったとしたら、とても嬉しく思います。

エコレポ『サスティナブルなDIY生活のヒント』 第5回:食品の流通を考える。

 日々のライフスタイルの見直しや環境保護に興味のある方に、何かのヒントになればという願いからこのコラムを書きはじめました。連載も終盤となってきてしまいましたが、よろしかったらシリーズを最初から通しでお読みください♪

エコレポ『サスティナブルなDIY生活のヒント』




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エコレポ: サスティナブルなDIY生活のヒント

エコレポ: サスティナブルなDIY生活のヒント
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 ブログに書くのをすっかり忘れていたのですが、エコレポで連載していたコラム「オーストラリアの野生動物保護」が最終回を迎えた後、新コラム「サスティナブルなDIY生活のヒント」が始まっていたのでした!

 これは、世界各地を旅することで見えてきた、自分自身でできることをコツコツとやっていくことで、快適な生活を長く続けていけるということ。これを実践するためのちょっとしたヒントをお届けする、というのがテーマのコラムです。

 コラムはとっくに始まっていて、既に4回目を迎えてしまっておりました… orz

第1回: 暮らしをDIYする。
第2回: ゴミと環境の関係を学ぶ、無料のコンポスト講習会
第3回: 洗剤を選ぶことの大切さを知ったペルーのエコ・ロッジ
第4回: トルコの世界遺産カッパドキアで受け継がれるエコ生活

 自分でやるのでお金がかからず、懐にも優しい上、手作業が多くなるため、環境破壊もほとんどありません。環境を維持し、豊かな自然に囲まれて暮らすことで、さらなる心のゆとりが生まれますよね。

 日曜大工のイメージが強いDIYですが、このシリーズでは、視点をちょっと変えて、「暮らし方」そのものを「DIY」することで、快適に心地よく生活するヒントをお届けできればと考えています。消費型の生活をできる限りやめ、最終的にサスティナブル(持続可能)な社会へと変えいく…そんな「ライフスタイル=暮らし方」ができたらいいですよね!?

 今回の連載コラムでは、オーストラリアだけでなく、世界各地のエコな生活のヒントを交えてご紹介しています。
 日々のライフスタイルを見直したい方、環境保護に興味のある方はとくに、興味深いのではないかと思います。お暇な時にでもぜひご一読くださいませ♪

サスティナブルなDIY生活のヒント

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増えすぎたコアラを秘密裏に安楽死… その現場は・・・

ケープオトウェイ(グレートオーシャンロード)のコアラ
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 約6年ぶりに訪れたその場所は、変わり果てていた。動物好きな私にとって、天国のようなその場所は、野生のコアラが鈴なり状態で見られる『コアラ天国』だった。1本の木に1頭というくらいの頻度で、木を見上げれば、必ずやコアラを見つけることができる(お気に入りの)場所――

 しかし、今は見る影もなく、見あげても、コアラの姿を容易には見つけることができなかった。よく見ると、コアラが鈴なりになっていた木々の幹には、鉄板が巻きつけられ、コアラが登れないようにしてあった。

「なぜ、こんなことを?」

 その理由は、近くに貼られた小さな手作りのポスターに書かれていた。

 “この森のユーカリの木(マンナガムManna gums)はコアラの大好物です。
 しかし、コアラが増えすぎて、マンナガムは食べつくされようとしています。
 森は死にかけています。
 この森からマンナガムが消えたら、コアラもいなくなってしまうのです。
 ですから、私たちは、コアラがマンナガムを食べ過ぎないように、木に登らないように、鉄板を設置しました。
 これは、森とコアラ、ここの環境を健康に保つためです。
 私たちはどちらも失いたくありません。
 どうぞご理解をお願いします。” (原文は英語)

 森の中を車で走ってみると、その事実はすぐに理解できた。白く立ち枯れた木々が、森のそこかしこに出現… いや、ほとんどが枯れてしまっていたのだ。森は本当に死にかけていた。このエリアはコアラが増えすぎて問題になっていたが、ここまで深刻だったとは・・・

コアラに食べつくされ、立ち枯れた木々

コアラに食べつくされ、立ち枯れた木々


 ※下の動画は、立ち枯れた木々の森を走り抜ける際に、撮影したもの。死にかけた森の様子をバーチャル体験していただけると思います。

 それでも、まだこの場所では、オーストラリアの他の地域に比べて、たくさんのコアラを見ることができた。しかし、それは以前とは異なり、高い木の上ではなく、道路のすぐ近くや道路に出てきてしまうコアラが多くて、交通事故に遭わないかとヒヤヒヤしたほどだ。

空腹のコアラ数百頭を秘密裏に処分 ‐ビクトリア州

 あれから数ヶ月経った昨日(2015年3月4日)、こんなニュースが世界を駆け巡った。まさに、私が大好きなこのエリアでの話だ。

 『空腹のコアラ数百頭を秘密裏に処分 ‐ビクトリア州』

 日本でもNHKなどが『豪 700頭近いコアラの殺処分に批判の声(参照)』と報道しており、その記事には以下のような記載がある。

ビクトリア州政府によりますと、おととし9月から去年3月までの半年間に、衰弱した野生のコアラ合わせて686頭を薬物注射で殺処分していました。その理 由について州政府側は、「コアラの頭数の急激な増加で、食べるものが足りず、飢えに苦しむコアラが増えているため、専門家と協議のうえ行った」と説明して いますが、殺処分の事実を公表していませんでした。
州政府では、野生のコアラの生息環境としては、森林1ヘクタール当たり1頭が望ましいとしていますが、ケープ・オトウェイ周辺では、最も多いときで1ヘクタール当たり20頭生息していたということです。

 森が枯れてしまえば、どのみちコアラは死んでしまう。だからといって、殺さずとも、他に方法があるのではないか?という声が、『批判』に繋がっているといえる。たしかに、他の森へ移住させるとか、そういう手もある。しかし、問題なのは、コアラが一筋縄ではいかない、ということなのだ。

 コアラはユーカリを食べるが、1,000種近くあると言われるユーカリの中でも、20~30種くらいしか食べない偏食主義でもある。人間がきちんと環境を把握し、その場所が今までの棲家とほとんど変わりないと思われる環境であっても、そこに移すと馴染めずに餓死したり、外敵にやられてしまったりと、失敗するケースがほとんどで、人間が考えているほどコアラの移住は簡単な話ではない。

大きくなっても一緒に過ごすコアラの親子

大きくなっても一緒に過ごすコアラの親子


 そんなことをいうのなら、世界各地の動物園で生きているコアラはどうなんだ?という声も聞こえてきそうだが、動物園には外敵もいないし、気温も食べ物も敵対する仲間(コアラ同士の争い)もコントロールできる。だが、自然の中ではそうはいかない。もちろん、運搬途中や新しい環境になじめず死んでしまった個体もいるし、そうした劇的な環境の変化に耐え、生き残ったたくましい個体が子を産み、動物園で生まれた子にとっては、そこが「ホーム」となる。他を知らない。だから生きていけるとも言える。むしろ自然の中に放ったら、死んでしまうだろう。ちなみに、日本で見られるコアラはすべて、(日本国内で生まれた個体を除き)元々はオーストラリア国内の動物園生まれだ。

 環境と生き物は切ってもきれない関係。自然の中で育まれた生態系は、人間が考えている以上に複雑で、脆い(もろい)ものなのだということを痛感するばかり… だからといって、空腹でどのみち死ぬのだからと、人間の一存で安楽死させるという安易な考え方には異を唱えたい。

 ※最後に、私と琉球大学の尾方先生(地形学、地生態学などがご専門)の、この件に関するやりとりを載せておきます。また、以前アップしたコンテンツ『特集:世界最多の固有種1,300種以上!オーストラリアに見る 生物多様性』をあわせてお読みいただき、オーストラリアの生態系を理解する一助になれば幸いです。


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