12月21日
天気 :はれ

今日で働くのは最後。 大量のチェリーがベルトコンベアを流れてくるのを見ていると 「こんなにたくさんのチェリーを見るのは、一生でこれが最後だな」なんて 思ってしまう。 毎日のように鍋いっぱいのチェリーを食べ、「いったい何年分のチェリーを 食べてるんだろう!?」なんて、フキと話したことがある。 「一生分じゃない?」とフキは言った。 確かに、もうチェリーは食べないかも。お金を出して買う気はしない。 そんなことを思いながら、今日の仕事は終わっていった。

仕事が終わった後、双児のおばあちゃんたちと写真を撮った。 「こんなことするから、日本人は写真ばっかり撮ってるって思われるのかな?」 なんて思いながらも、おばあちゃんに「一緒に写真を撮って」と頼んだ。 双児のおばあちゃんは「もちろんよ」と良いながら、自分のカメラを取り出した。
今日で最後の私達(ミツちゃんとヒトミちゃんも今日が最後だった)と一緒に 写真を撮るために、2人は自分のカメラを持ってきてくれていたのだ。 最後に別れる時、おばあちゃんは私を抱き締めてくれてほっぺにキスをしてくれた。

「あなたは本当に良い子だったよ。元気でね。いいクリスマスとニューイヤーを!」 と、言ってくれた。 うちのお母さんに少し雰囲気の似てるおばさん、エプロンとも一緒に写真を撮った。 「来年もいらっしゃい」と言ってくれたが、それは不可能。 でも、来れるものなら本当に来たい。

家に帰ってからは、クマおじさん夫婦とも、最後のお別れに随分長いこと 話し込んだ。クマおじさん達は、来年も再来年もここに帰って来ると言う。 そしてまた鳥おじさん達、他のキャラバンの人々と再会するのだろう。 来年のこの場所には、また別のワーホリの女の子達が来ているんだろうな。 日本人もまた、いっぱいいるのだろう。 こんな優しい人達との、楽しい自然に囲まれた生活を、他の子に取られるような 気がして、なんだか悔しい。 どうして私達だけ、また来年帰って来ることができないんだろう、と。

Youngでの、チェリーヘブンでの生活の、いったいどこがそんなに良かったかと 聞かれると、具体的になんて答えて良いのかは分からない。
お金も稼げた。(結局、合計2405ドル)
チェリーも美味しい。
夕焼けも綺麗だし、夜の星も素晴らしかった。
でも、それだけでは言い尽くせない何かがあったように思う。 シドニーでは会えない人に会えて、シドニーでは作れなかった人間関係が できたのではないかと思う。

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