有袋類は、1億年以上も前に分岐し、孤立した大陸にいわば取り残されてしまったような哺乳類ですが、種類が少ないか?といえば、そんなことはありません。
生物の進化は、同一の起源を持つ種が次第に複数に分かれ、環境適応しながらこれを繰り返すことで起こったと考えられていますが、こうした分化を『適応放散』と呼び、現在の地球上に見られる多様な種が生まれた(=生物多様性)とされています。
この適応放散が、最もわかりやすい形で現れているのが、オーストラリアにおける有袋類の分化です。
有袋類も、その後飛躍的に進化した有胎盤類同様、同一地域内で様々なニッチ(生態的地位)へと分化していきました。つまり、有袋類はオーストラリア大陸という、外敵のいない極めて限られた場所で、それぞれの環境に適応しながら、有胎盤類に匹敵するほどの種を増やしていったと考えられています。
【参照】適応放散
- Wikipedia
有袋類の多様性
オーストラリア大陸の有袋類は、現在主流の有胎盤哺乳類が得てきたのと同じような地位を獲得してきました。そのことを示すように、有袋類のほとんどは、有胎盤類の分化で現れた様々な種類と重ね合わせることができます。
名前から容易に想像でき、対応種がわかりやすいものをいくつか挙げてみると以下の通り。