昨年から続けているオーストラリア最大のフクロウ「オニアオバズク」の調査。
この調査は、都市部に生息するオニアオバズクが、宅地開発などによって生息域を奪われ、個体数が減少していると予測されることから、オニアオバズクの営巣行動を観察し、ペアとなった後の繁殖から雛の巣立ちの様子までをモニタリングするというものです。
バードライフ・オーストラリアが主体となって行っているこのプロジェクトは、州政府の支援を受けて2011年に開始し、個体数減少が最も懸念されているシドニー近郊では、数年前から調査協力ボランティアを増員して調査を続けています。
詳細はこちらのページを読んでいただくとして・・・
※以下にちょっと古いけど、バードライフ・インターナショナル東京による日本語の説明あり。
試練の始まり・・・
まずは、調査方法などのワークショップ講義に参加し、担当する調査場所を割り振られるわけですが・・・アサインされた場所は結構遠いところで、何度も行くのはちょっと無理、、という感じだったので、割振り担当のC嬢に担当調査場所の変更を願いでたわけです。
そしたら、C嬢から連絡があり、今週末J女史が新しい場所を案内するので、一緒に行ってみて~と連絡あり。これが試練の始まりだった!?。゜(゜´Д`゜)゜。
連れて行かれたのは、我が家からほど近い国立公園に隣接する森。
J女史は、「ここって週末とか夜とか、酔っ払いやちょっと変な輩がいるから気をつけてね」といいつつ、森へと続くけもの道(といっても、たぶん人が雑草取りなどで通ってる道)をずんずんと入っていく…
こうしてJ女史率いる我ら探検隊はミッションを開始したのでした。
※ここからは、J女史のことを「隊長」と呼ぶことにします(笑)
けもの道のようなトレッキング・コースは、この国じゃ珍しくないから、最初はまったく気にしてなかったんだけど、だんだん雰囲気が怪しくなってくるじゃありませんか!
森はどんどん深くなるし、草がぼうぼうに生えていて、私の背丈ほどのところもあって、前がよく見えない…
元々けもの道状態の道もあるようなないような…
なのに、隊長はそんなことたぁお構いなく、何食わぬ顔でずんずん森の奥へと入っていきます。
沼にハマる・・・
そもそもオニアオバズクは、小川が流れているような湿地帯近辺に生息しているため、なんだか足元もぐちゃぐちゃしてきた… というのも、ちょうど一週間前くらいに嵐が来て、大雨が降ったために、普段なら固めの砂地のところでも、水たまりができてぬかるんでいたのです、、(;´д`)
しかも、嵐の時に倒れたと思われる木や枝が行く手を塞いでいる。それを素手でかき分けて、倒木を乗り越え、まだまだ先へ進もうとする隊長。
「うーん、、やっぱり嵐でオニアオバズクが巣にしそうなうろ穴のある大きな木が倒れちゃってるわね…」
と、ぼやく隊長に「もうこの先へ行っても無理だから、引き返そうよ」と、やんわりと言ってみましたが、ウフフと不敵な笑みを浮かべて、聞く耳持たぬ隊長。さらに、どんどん奥へと突き進んでいきます、、、orz
状況はさらに悪くなり、増水した川が目の前に立ちはだかった!
「やっぱり戻ろうよ~ もうムリだよ~、、、」
半分涙目で訴えてみるも、
「大丈夫よ。まだ行けるはず!」と意に介さない隊長…
うわーん、帰りたいよぉ、、戻ろうよぉ、、、と心の中で叫ぶ私…(×_×)
川を回避して、今度は山側へと登り始めた隊長だけど、さすがに、そんなところに道なんてあるわけない。前が見えないほど生い茂る背丈の高い草に阻まれて、なかなか先へ進めません。しかも、途中には大きな水たまり(てか、もう沼…)も、、
だから言ってるじゃん、、引き返そうって、、、。゜(゜´Д`゜)゜。
謎の呪文・・・
その時、隊長が呪文のように何かを唱え始めたのです!
「ワラビーさん、教えて。こっちであってるわよね?ねえ、ワラビーさん教えてちょうだい」
?!?!?!
そして私に向かってこう言うのです。
「ワラビーさんが通っている道だから、きっと大丈夫よ!」
?!?!?!
え?!?!?!私たち、ワラビーじゃないけど?!?!( ̄д ̄;)
その後も彼女は、ワラビーが通っているはずだから大丈夫と言い張り、戻るという決断を一切せぬまま、前進を続けたのです。。。。。
もう、ここからは自力では引き返せないし、まさか(歳をくってるとはいえ)女性一人をおいてゆくわけにもいかず、仕方なく、隊長の後をついていきましたよ。こうなりゃ、ヤケクソ!!ヽ(;▽;)ノ
森の中をさまようこと数時間、ようやく、車の通る道路が見えてきた!
川を回避したはずなのに、やっぱり川のほうへ出ないと道路へはでられないということがわかり、再び川を目指す我らJ探検隊。いよいよ日も傾いてきた。
ようやく川に辿りついて、愕然、、、
普段は穏やかなはずの川(小川よりちょっと大きめくらい)は、大雨で普段の2倍以上に増水していたのです…。途中では茶色い濁流が渦を巻き、かなり深そう、、、
目の前は真っ暗。あー、今度こそ本当にお手上げ、、、、
とその時、隊長が何かひらめいたように声を高ぶらせて、こう言ったのです。
「あそこの木が渡れるわ!」
彼女が指差す方向へ目をやると、そこには嵐で倒れたと思われる、ある程度大きな木が川に横たわっていました。
でも、さすがに、どの程度の強度があるかわからないし、あそこまでも結構あるし、無茶しないほうがいいんじゃ・・・
・・・と言って聞く耳持つような隊長でないことは、ここまでの経緯で十分にわかってます。>キッパリ
隊長が先頭に立って、その木を目指して前進・・・と、その時!
「あ”ーーーーーっ!!」
増水で沼のようになっていた川岸に、右足がずぼっとハマってしまい、抜けられなくなった隊長。手を貸して、引きずりだし、ようやくアリジゴクのような泥沼から救い出すと、隊長は腿あたりまでドロドロ… (*´・ω・)ダカラヤメヨウッテ
しかし、そんなことを苦にするような隊長じゃありません!
また、呪文のように「ワラビーさん、ここ通れるわよね?」といいながら、ずんずん川に横たわる木を目指して進んでいくのです。
だ・か・ら・私たち、ワラビーじゃないってば。(◞‸◟)
何度も泥沼にはまりながら、ようやく木にたどり着き、まずは隊長が渡り、続いて私も渡り、脱出不可能と思われた前人未到の深い森から、なんとか抜け出すことができたのでした。
我らJ探検隊は、今回の探検で、最大のミッションであったオニアオバズクの巣をひとつたりとも見つけることができず、得たものといえば、沼にハマった時に数匹のヒルに食いつかれて血だらけになったことと、泥だらけになったこと、そしてプーマの長靴が浸水して壊れたってことだけ。悲しーーーっ!!(T ^ T)
しかし、この調査はまだまだ続くのです。。我々はオニアオバズクに会うことができるのか?!乞うご期待(笑)
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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