1月25日に、こちらで「ただいま、子育て中」と紹介したヨコフリオウギビタキ。その後も3羽の雛たちはすくすく育っていました。
昨日、30日の日曜日に見に行った時には、もうずいぶんと羽も生え始め、あと2週間もしないくらいで飛べるのでは?というくらいまでに成長。羽をパタパタさせる子もいたほど。
が、しかし! 本日、ショッキングなことが……。
昨日(1/30)のヨコフリオウギビタキの雛たち。大きな口を開けて餌をねだっています。
巣が作られていた場所は、近くの枝が無残にも折られ、巣は枝から跡形もなく消えていました……。そして、近くをふらふらと飛びながら、弱々しく鳴く親鳥。
雄と雌が力をあわせて、あんなにも一生懸命、交互に餌を取って来ては、雛たちに与え続け、あそこまで大きくしたのに。突然、巣ごと雛たちが消えてしまったのです。きっと、途方に暮れているのでしょう。
近くの太い枝が折れ、巣ごとなくなっている というのは、猛禽類や蛇などの天敵の仕業とは到底思えません。彼らなら、雛だけをもっていくはず。どう考えても、その状況は人間がやったとしか思えない!許せんっ!!(怒)
巣があった場所と折れた枝の状況はこんな感じ。
巣があった真下には、雛のものと思われる羽毛が…
実は、このヨコフリオウギビタキ(現地名:ウィリーワグテイル)の巣は、ドッグトレーニング可のオープンなスペースに作られていました。川に沿って開けた芝生エリアに並ぶ木立の、ちょっと手を伸ばせばすぐに届く場所。週末には家族連れがバーベキューに訪れ、犬を連れた人たちが大勢やってくるところです。
そのため、毎日犬の散歩をさせている老婦人や川岸で涼をとるカップルなど、いつもその場所を訪れている人たちは、そこに巣があることを知っていました。
昨日の夕方にオットが様子を見に行ったところ、肉食のワライカワセミ(現地名:クッカバラ)が近くに来たのを警戒し、親鳥が必死で巣を守っていたので、加勢してクッカバラを追い払っていたら、いつものカップルがやってきて、「あんたはいいヤツだ」と話かけてきたとか。あえて口には出さないけれど、実はみ~んな、ヨコフリオウギビタキの味方♪
元々生まれた雛は4羽だったこと、ある日1羽だけがカラスにさらわれ、3羽になってしまったことなども、皆、毎日のようにこっそりヨコフリオウギビタキの子育ての様子を見に来ては、ずっと温かく見守っていたのです。
羽が生え始め、元気だった昨日(1/31)の雛たち。
昨日の夕方までは元気だった3羽の雛たち。なのに、巣ごとどこかへ……。
雛たちを探すように、木立の中をさ迷うようにふらふらと飛びながら、鳴き続ける親鳥の声だけが、悲しいほど川面に響き渡っていました。。。(涙)
悲しそうにずっと鳴き続けていた親鳥
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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