メルボルン春の陣 ~怒涛の第2ラウンド

標準

 昨日の足の疲れも癒えぬまま、いよいよメルボルンカップ当日。朝、ホテルのロビーに集合して、電車でフレミントン競馬場へと向かうことに。

 まだ早い時間だというのに、駅には大勢の人、人、人!しかも皆、「どこへ行くんだ?」というようなゴージャスなドレスやスーツに身を包み、女性の頭は「未開の地の原住民か?」と見紛うようなカラフルな羽飾りで彩られている。

 電車がホームに滑り込んで来るや否や、どーっと人が押し寄せ、座れない人が出るほどの盛況ぶり。行き先はフレミントン・レースコースなので、乗車している全員が今日のレースに直行!です。

あまりのハデさに注目の的だった羽飾りの女性あまりのハデさに注目の的だった羽飾りの女性

 電車は途中2つの駅に停車し、フレミントン競馬場に到着。まず我々は、集合場所であるインターナショナルラウンジへと向かう。ラウンジはまだレース前だったこともあり、一応座って飲み物飲んだり、食べたりできたのでよかったのだけれど、ほんの30分ほどで昨日同様、N嬢に先導され、スポンサーが出しているマーキーだとか、ファッションショーだとかをぐるぐる回ることに。

メルボルンカップのファッションショー

 しかし、途中で雨が降っ たため、ファッションショーをやる大テントの足場はぐちゃぐちゃ。浸水した泥沼牧場のようになっていて、靴のヒールが泥の中に3~4cmも沈み込んでしまうほど!ファッションショーを見に来ている人々は、皆ハデなドレスに身を包み、高~いハイヒール。しかし、彼女達の足元に目をやると、この日のために揃えた(と思われる)ゴージャスな靴は、泥に埋まってドロドロ…。サンダルを履いた人は、足が泥遊びしたような状態になっている。

 #ちなみに、後で自分の靴を見た ら、ヒール先のゴムが泥に埋まって取れてしまっていた…(泣)。相棒の靴は浸水しすぎで壊れてしまい、ラウンジに戻って、ビニールテープをぐるぐる巻きにして応急処置。茶色の靴に黒いビニールテープがなんとも妙、、(^^;。とはいえ、身なりを構っている場合じゃありません!

靴を脱ぎ捨ててしまった人も…。予めビーチサンダルを用意していた兵もいた!靴を脱ぎ捨ててしまった人も…。予めビーチサンダルを用意していた兵(つわもの)もいた!

 そして、いよいよ本日のハイライト、メルボルンカップ・レース出走まであとわずか!となり、スタンドへ移動することに。しかし、スタンド方面は既に、砂糖に群がるアリのように大勢の人が押し寄せている。その人々をかき分けながら、一目散にスタンドを目指す。

 レース出走まであと15分。なのに我々ときたら、アジアからの取材陣が途中でトイレの騒ぎをするわ(先に行っとけつーの)、いまだどこに陣取っていいかわからない状態でウロウロ。どうやら、N嬢は場所を確保していなかった模様。とりあえず、通路の最上部で待機することに。N嬢、しっかりしてちょうだい!と叫びたい気持ちでいっぱい…です……(;;)。

 いよいよあと10分。と、その時、それまで場所確保の交渉をしていたN嬢が、いきなりこちらを振り返り、この期に及んで「ここはダメだっていうから、上へ移動しましょう。今すぐに!急いで!」と。

 へ?今から?あと10分切ったんですけど??
「とにかく、今すぐ移動するのよ!早く!!」と叫ぶN嬢。
ぐえ’’ーっマ、マジですか ?!?! あそこまで行くには、どう見てもあと3階以上は上らなきゃならないし、まだ結構な距離がありますが・・・・・・?

この上にもまだ観客席がある。フレミントン競馬場は広い!この上にもまだ観客席がある。フレミントン競馬場は広い!

 日本のS新聞社のKさんたちは、半ば怒り心頭で、「自分達はもうここでいいです!(>キッパリ)」と、N嬢に従うことを拒否。N隊からの戦線離脱を宣言。えぇぇぇ…どうすれば。。でも、上のほうが よく見えるかもしれない。そんなかすかな期待もあって、とりあえず彼女の後をついていくことを決断した私たち。4人でフレミントン競馬場内を走る、走る、走る!もう、なりふり構わず、猛ダ~ッシュです!!

 皆着飾って、出走を心待ちにしながら、楽しく飲んだりおしゃべりしたりしているフレミントン競馬場スタンド内をものスゴイ形相で、猛ダッシュで駆け抜ける奇妙な4人組。「何なの?この人たち、なんで走り回ってるわけ?」という皆の視線が痛いっ。。エレベーターなんて待っている暇はありません!エスカレーターだって、靴音をカッツンカッツンいわせながら、走って駆け上り、階段だって、もちろん猛スピードでダーッシュ!

とにかく凄い人!

 レース出走4分前。ゼーゼーしながら、スタジオの最上部に到着。ああ、もう撮影機材をスタンバイしている時間はない。撮影担当は、慌ててレンズを取り付け、無我夢中でコース上にカメラを向ける。あれよあれよという間に、場内が怒涛のような歓声があがり、馬が走り出してしまった…。

メルボルカップ出走前、観客で埋め尽くされたフレミントン競馬場メルボルカップ出走前、観客で埋め尽くされたフレミントン競馬場

 ほぼ全員が総立ちになって、怒りとも喜びとも言えない、もの凄い歓声が沸き起こり、場内が熱気と興奮の渦に包まれ、レース終了。ゴール寸前は、総立ちになった大きなオージーたちが立ちはだかり、目の前が真っ暗になって、ほとんど何も見えなかったのありました…(涙)。

 それでもN嬢は、「間に合ってよかったね♪」と、、、うーむ、そういう もんだろうか。。結局、この日もほぼ立ちっ放し、おまけにヒール靴で猛ダッシュですから、足の疲れ、いや痛みはハンパじゃありませんっ!(泣)

 そんなこんなで、今回のメインイベントであったメルボルンカップも終焉。しかし、あんな状況でもなんとか撮影できていたのは、奇跡以外の何ものでもありません。。。明日こそ、じっくりと最後の仕事にかかりたいところ…だけれど、そう簡単にはいかないのが世の常。明日もN嬢の案内で、競馬場内のツアーが待っている…。あたしゃ、もうすっかりトラウマ状態です・・・・・・(涙)。>>続きはこちら!

About Me
Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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