人間がカモの親になるということ。

ヒヨちゃんにとって、我が家で迎える初めての朝
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11月20日に救助を依頼され、保護した野生カモのヒヨちゃんを自宅で面倒見ることになって、早12日が経ちました。(保護した経緯などはこちら

本日体重を計ったら、62g。レスキューした時の25gから、大幅アップしました! この成長率の凄まじさは、目を見張るばかり。これが、株なら超~有望株です(笑)。

最初は食べるのも弱々しく、『吸引力の衰えた掃除機』みたいだったのですが、数日経って、環境にもなじんだ頃から急激に吸引力がアップし、今じゃ『吸引力の衰えないダイソン』(?)並み!(爆)。

ヒヨちゃんが我が家で迎えた初めての朝、体重は25g!ヒヨちゃんが我が家で迎えた初めての朝、体重を量ったらたったの25g!

そのヒヨちゃん。生まれてまもなく『みなしご』となってしまい、人間に育てられることになったため、私達夫婦を親だと思ってしまっているよう。仕方ないとは思うけれど、このままで野生に戻れるのだろうか?とちょっと心配…。

さて、我が家でヒヨちゃんのためにしたこと、それは、囲いを作って、中に餌場と池を作ることでした。とはいえ、あまりに小さすぎて、まだとても外に出せる状態ではないため、家の中に作るわけですから、もう大変!

餌場は、ペンキ用のトレイ(こういう感じのもの)を使用し、ペンキを入れる部分に水を入れ、ペンキをしごく部分に少し水がくるようにして、そこに餌を出します。これは、意外と水辺(水際)を再現できたようで、ヒヨちゃんにも好評でした。そして、水浴びと泳ぐための池は、少しヒビが入ってしまっために放置してあった日本製の土鍋(4人用)で代用。外側からアクセスできるように、タオルをまるめて足場を作りました。

土鍋で大丈夫なの?ってカンジですが、ヒヨちゃんはまだ10cmにも満たない程度の小ささなため、なんとピッタリ ♪  最初はおっかなびっくり土鍋に近づいていましたが、そのうちポッチャンと自分で飛び込みました!

これぞ、本物の鴨鍋!?(笑)

土鍋の中でくるくると泳ぎまわる姿が、なんともいえず可愛いっ♪♪

しかし、あまりの環境の変化のせいか、少し情緒不安定になっているようで、少しでも(私またはオットが)傍を離れると、ピーピーと猛烈に大きな声で鳴き出します。そりゃあもう、耳がつんざけそうなくらい!大人しく餌を食べているから大丈夫だろうと、そうっと姿を消すとすぐに察知して、鳴き出す始末…。これでは、私たちは何もできません。。(泣) どうやら、食べているのを見ていて欲しいよう。

そして、嫌いだったペレット(雛用の餌)も「これも食べようね」と言いながら、自分が指の先でつつくマネをして見せ、食べ物であることを認識させるようにしました。こうなりゃ、自分が人間であることを一時忘れ、

鳥のキモチになって、鳥になりきる!

ことが一番大事なのです(笑)。

ペンキ用のトレイが結構気に入った様子のヒヨちゃんペンキ用トレイが結構気に入った様子のヒヨちゃん

こうして思いがけずカモの子を育ることになったわけですが、日々ヒヨちゃんと接する過程で思ったのは、人間と同じだなぁということ。子が親に求める愛情の深さは、生命を持つすべての動物に共通のものなのかもしれません。

愛情をたっぷりかけられた子は、情緒が安定し、心身ともに健康に育つ。その反対に、ネグレクト(無視)されたり、テキトーに扱われた(あしらわれた)子は、情緒不安定のまま大きくなり、心身に病をきたす。おそらく、カモであろうと、人間であろうと同じなのだと思うのです。

現在は、ほぼ四六時中ヒヨちゃんにかかりっきり…といってもいい状態で、正直結構ヘトヘトですが、生まれてまもない今のこの時が一番大切な時期。心のケアが最も必要とされる時期なので、頑張って面倒見ようと思っています。

でも、そう考えると、まだ首も座らないような赤ちゃんを保育所に預けてしまう母親って……子供の心のケアについてどう考えているのだろうか…?と、他人事ながら、ちょっと心配になったりして。。(余計なお世話と言われそうですが…(^^;)

About Me
Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住18年。詳細なプロフィールはこちら。
執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

野生動物保護&ケア資格を取得!初レスキューはカモのヒヨちゃん

みなしごカモもヒヨちゃん
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 先月通っていた講義も終了し、無事、夫婦で野生動物保護&ケア資格を取得しました!オーストラリア最大の野生動物保護団体WIRESの認定ケアラー(介護士)&レスキュアー(救助士)です。

 11月に入って修了証書とメンバーカード(認定証)が送られてきて、すでに3件の出動要請がありましたが、メルボルンカップの取材やら何やらで、救助に向かうのがなかなか難しく、先週土曜日に初出動&レスキューしてきました!

 今回のレスキュー対象は、パシフィック・ブラック・ダックというカルガモの仲間。我が家から割と近くの家でカモが保護されているので、引き取ってきて欲しいという要請でした。まずは、その方に電話し、住所を詳しく聞いて訪問。なんでも、娘さん(小5くらい?)がビーチで遊んでいたところ、砂浜の岩にカモの赤ちゃんが1羽だけ打ち上げられているのを見つけ、自宅に連れて帰ったのだとか。

パシフィック・ブラック・ダックの成鳥、和名はマミジロカルガモ
パシフィック・ブラック・ダックの成鳥、和名はマミジロカルガモ

 しかし、パシフィック・ブラック・ダックは野鳥ですから、勝手に自宅で飼うわけにはいきません。それに、その家には既に猫が居座っており(?)、その上、庭にはブルータン・リザード(アオジタトカゲ)が出るのだそうで、赤ちゃんカモにとってはとても危険な環境です。そこで、お母さんがWIRESに電話し、保護要請をしたところ、同じエリアでもある我々に白羽の矢が立ったというわけ。

 野鳥を含む野生動物は、基本的にテリトリー(生息範囲)があるので、このみなしごカモも生まれたエリアで育つほうがいいのです。

急にひとりぼっちになってしまい、少し疲れているヒヨちゃん急にひとりぼっちになってしまい、少し疲れているヒヨちゃん

 お母さんとも兄弟達ともはぐれ、たった1羽で途方に暮れていたカモの赤ちゃん。初めて見た時は、あまりの小ささにびっくり!体長はほんの10センチほど、手のひらに乗るくらいしかありません。一日のうちに、目まぐるしくいろいろなことが起き、ちょっと疲れているようでした。しかし、幸いなことに怪我などは見当たらず、比較的元気な様子。

 講義終了時に授与されたレスキュー・バスケットにタオルを敷いて、カモの赤ちゃんをそっと入れ、車も低速で走行しながら、ゆっくり我が家へと戻りました。そして、本部へ連絡。本来なら、私たちはレスキューのみで、コーディネーターが手配したケアラーに引き渡されるはずだったのですが、週末のせいかコーディネーターがつかまりません…(泣)。

 お腹をすかしているようだったので、白菜とレタス、ほうれん草をみじん切りにし、与えたところ、少づつ食べ始めました!でも、これだけでは栄養不足になってしまう……急いでスーパーへ走り、オーガニックのキヌアフレークと雛用のペレット(餌)を購入。早速食べさせてみました。野菜とキヌアのミックスは気に入ったようで、結構食べてくれたのですが、ペレットはあまり好きではないよう。まあ、そのうち食べてくれるでしょう(と期待)。

我が家に到着し、小刻みに震えながら走り回るヒヨちゃん我が家に到着し、小刻みに震えながら走り回るヒヨちゃん

食べ終わった後、体重を計ってみたところ、なんとたったの25グラム!なんともちっちゃなカモさんです(^^) とりあえず、名前を「ヒヨちゃん」と命名し、この晩は、バスケットの中に湯たんぽを入れてあげて、眠りにつきました。

 翌日の日曜日もコーディネーターはつかまらず。(さすがオージー…(- -;) 私たちが昨日のうちに餌を用意しなければ、この小さなカモさんは死んでしまったかもしれません!(怒) 待っていても仕方ないので、ヒヨちゃんが発見された場所へ行き、同じような子ガモを連れた母カモがいないかと探してみましたが、そう簡単に見つかるもんじゃありません。。

 そして月曜日、ようやくコーディネーターがつかまったものの、結局、我が家でそのまま面倒みることになりましたとさ。(やっぱりオージー…(- -;)

 …というわけで、これから「ヒヨちゃんの、母を訪ねて三千里」の始まり~!?(笑)

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住18年。詳細なプロフィールはこちら。
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