「ストップ温暖化!地球を守ろう!」といったようなスローガンを掲げ、一心不乱に温暖化問題をことのほか『一大事』であるかのごとく、大きく取り上げる環境運動家たち。私は環境問題には関心あるが、温暖化問題に対する今のありようだけは容認できない。
個人的には、温暖化という『宗教団体』にしか見えなかったが、どうもそれが正しかったような雰囲気になってきた。それは先日7/8の記事「地球は1万2千年のダイエットを経て、再び太ってきている(膨張してきている)」というもの。
地球が太ると寒冷化し、氷河期に入る
1万2千年前といえば、最後の氷河期が終えた頃。つまり、氷河期の頃は太っていて、その後1万2千年かけてスリムになってきていた、というのだ。ところが、また近年太り始めているという。地球はこれまで、年間約7mmのペースでスリムになってきていたが、近年また約7mmずつほど膨張し始めているのだそうだ。(太る=膨張といっても、全体ではなく、横に広がって楕円状になるということ)
記事では、「地球は最後の氷河期を終え、徐々にスリム化しながら温暖化していった。そして、温暖化が最も著しくなった近年、自浄作用で冷やし始めているのではないか。残念ながら、長い夏は終わりに向かっているのだ」と繋がっていく。(参照記事)
突然、人類に襲い掛かる氷河期。
映画「デイ・アフター・トゥモロー」が現実に…
つまり、地球が痩せていく時は温暖化していき、太り始めると寒冷化する。この周期は約1万2千年。最も痩せていた時期は温暖化の最高期。最も痩せていた時は氷河期の真っ只中ということがわかってきたのだという。そして、あの最後の氷河期が終えてから約1万2千年、今また地球はまた+7mm/年 ずつ太り始めてしまった。
【追記】地球が太る(膨張)理由は、一説には「寒冷化すると極(南極、北極)の氷が増え、その重みで地球がぎゅっと上下から押しつぶされる形になり、横に広がる」というのがあるらしい。検証は難しいと思うが、理屈としては理解できなくもない。
このデータから見えてくるもの……それは、地球は再び氷河期に向かっている!ということではないのか?
氷河期が訪れることを示唆するデータは、この他にもいくつも出てきている。
地球温暖化信者によれば、温暖化の原因は、人間活動に起因するCO2=二酸化炭素によるものであるため、「CO2削減」しなければならないと言う。しかしながら、実は、このCO2濃度が高ければ高い程、氷河期を起こす誘因になるという説がある。
しかしひとつ言えるのは、CO2濃度が高くても太陽熱(エネルギー)は少なくないと、そうはならないらしい。では、氷河期が訪れるための他の大きな誘因は何か?
それは、太陽活動だ。
太陽活動が左右する地球の寒冷化
実は今年2月、NASAは大規模な太陽フレアーが発生し、巨大な太陽嵐が地球を襲うと発表した。太陽嵐で電磁波が狂い、すべての機能をマヒさせると…。その根拠は、2008年から2010年暮れにかけて、黒点はほとんど現れず、2008年8月頃には100年に一度という太陽の黒点が全く無くなった月があったのだが、その後、黒点は増え始めた。そして、2013年には太陽活動の活発化とともに「スーパー・ストーム」が地球に到達すると予測していたからだ。(参照記事)
しかし、今年6月、米天文学会の総会で、黒点は増えるどころか、著しく減少し始めており、太陽は休止期に向かっているのではないかという、これまでとまったく逆の見解が示されたのだ。
さらに、先日7/4にも「小氷河期はそこまで来ている?」と題した記事が、イギリスの新聞「デイリー・メイル」紙に掲載された。(参照記事)
ここ数年、冬場に異常な寒波に見舞われているイギリスをはじめとするヨーロッパ。この寒冷気候の原因は、やはり太陽黒点の活動にあると指摘する。また、2010年に開かれた気候学会で、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のメンバーでもあるドイツのキール大学ライプニッツ研究所は、太平洋と大西洋の水温自然循環を分析した結果、地球は寒冷期に入り、「小氷河期」状態であると発表している。
ライプニッツ研究所は、温暖化で氷が解けているとされる北極圏では、実は2007年から氷結面積が約106万平方キロ増加したことを突き止め、これまでの「温暖化によって北極の氷が解けている」説とは全く逆の見解を示した。その上で20世紀初頭から2000年頃にかけては、たしかに地球は温暖化していたが、これはCO2排出量とは関係なく、海洋の深層海流である寒流と暖流の循環(流れ)に原因であると指摘した。そして現在は、その循環が逆の動きになっていることから、寒冷化が進むと見ている。(参照記事)
CO2濃度が高まっているこの時期に、太陽活動が弱まる。海流の循環にも変化が見られ、そして冒頭の1万2千年周期の地球の変化…………かくして、氷河期に入る準備は整った、というわけだ。
氷河期を遅らせる唯一の方法とは?
すなわち、地球はこれから、冷えていく方向へ向かってまっしぐら!ということになる。どのみち、地球の自浄作用や変化の周期なんて、人間がどうにかできるわけはないのだが、唯一、氷河期が来るのを遅らすことができるとすれば、、
それは、膨大なCO2をはじめとする温室効果ガスを排出すること。科学批判のサイトSkeptical Scienceの記事によれば、「1000ギガトンの排出が起きれば13万年氷河期を防ぐことがき、もし5000ギガトン排出されたとしたら、50万年遅らせる事ができる」という。
つまり、氷河期にならないようにするための唯一の方法は、今叫ばれている「CO2削減」とはまったく逆の「CO2排出」しかも、膨大な量を!なのだ。「クリーンな空気。二酸化炭素を出しません」なんて言って原発作ってる場合じゃない。これが真実ならば、じゃんじゃんCO2を排出してくれる火力発電所を増やさねばならないくらいなのだ。じゃないと、地球はどんどん冷却化し、本格的な氷河期へ突入してしまう!
しかしながら、そんな膨大な量を排出するのは到底無理な話。2008年度の世界全体のCO2排出量は295億トン(参照)、ギガの単位は10億だ。
最後にダメ押しともいえるのが、次回やってくる氷河期はこれまでで最長になる可能性を秘めているということだ。先ほどの科学サイトは、数々のデータを基にした試算によると「今の状態、比較的弱い軌道強制力と長いCO2の寿命、両方を合わせ考えると、過去260万年、最長期間の氷河期になる可能性がある」としている。
これだけでは氷河期突入の要因としてはイマイチな気も?という意見もあると思うが、オーストラリアの今冬の異常な寒さといい、北半球の極寒の冬といい、侮れない大きな気候変動が起こっていることはたしかだと思う。
今夏の日本では「こんなに暑いのに、そんなはずはない!間違いなく温暖化だ」と思うかもしれないが、冬のことを思い出して欲しい。今年に入ってからも4月、いや北海道などでは5月に入っても雪が降り、寒さが厳しい『極寒』の長い冬ではなかったか?東日本大震災における被災者の人々は、その極寒の中耐えたのではなかったのか?
つまり、『極寒』の長い冬と『酷暑』の比較的短い夏となり、気候が極端化しているだけ。温暖化ではなく、気候変動。しかも大きなうねりの中に今、入ってしまったのかもしれない。(このブログでもそんなことを書いてますね…)
【参考サイト】
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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