聖火リレーに、カワイイあの子が登場!・・しかし逃げる(笑)

ちょっと落ち着いて戻ってきた!
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リオ五輪開幕まであと少し!

最初にバラしますが・・・実は、密かにオリンピック開会式マニアです(笑)

どんなに朝早くても、どんなに夜遅くても、開会式は必ずチェック。欠伸と戦いながら(?)、楽しんでいます。( ´∀`)b

過去、よかった開会式といえば、やっぱりシドニー五輪。オープニングに、ブランビーと呼ばれるオーストラリアの野生馬にまたがったストックマンが登場し、カッコよかった!

 
こちらのブログに書いたけれど、オリジナルの楽曲がどれも秀逸で、記憶に残る開会式でした♪(まあ、かなり地元びいきってのもありますが…(^_^;))

そして、アテネ五輪のエーゲ海をイメージした鏡のような水面も印象的で結構お気に入り。画面からシュっと火が飛んできて、スタジアム中央に着水するとオリンピックの五輪に火が点灯する仕掛けもよかった!

 
さて、そんなオリンピックには欠かせないのが聖火。

シドニー五輪の聖火リレーでは、聖火が初めてグレートバリアリーフの海中を泳いで移動するという、史上初の“水中聖火移動”も実現!
※↓リンク先で公式動画見られます。

またこの時、聖火は列車に乗ったり、フェリーに乗ったりと、様々なルートで運ばれたのですが、開会式が行われる五輪メイン会場到着前には、市内中心部の北側にあるタロンガ動物園にも聖火がやってきました。

キリン越しにオペラハウスとシドニーの街が見られるタロンガ動物園

キリン越しにオペラハウスとシドニーの街が見られるタロンガ動物園

その時のこと・・・

聖火到着当日は、タロンガ動物園を無料で開放。普段では考えられないほど大勢の人が押し掛け、動物達もびっくり!火のついたものが目の前を通り過ぎていくので、驚いてウロウロする動物もいました。

そして、聖火ランナーがメイン舞台にやってきて大いに盛り上がった後、
「オーストラリアといえば、やっぱりこの子でしょ~」
と、コアラに聖火を持たせよう!ということに…

そして、目の前に聖火を差し出されたコアラくん・・・目を真んまるにして逃げてしまいました~(笑)

聖火を差し出され、逃げたコアラくん

聖火を差し出され、逃げたコアラくん

さらに聖火バナーを近づけると(もちろん火は消してですけど…)、さらに木に登って逃げる、逃げるwww

さらに木に登って逃げる(笑)

さらに木に登って逃げる(笑)

最終的には、少し落ちついて戻ってきたところを捕まえて、なんとか持ったような格好になったのですが…持たされたコアラはちょっと迷惑顔でした(笑)。

ちょっと落ち着いて戻ってきた!・・でも目がまだ不安げ…(^_^;)

ちょっと落ち着いて戻ってきた!・・でも目がまだ不安げ…(^_^;)

もう16年も前のことだなんて思えないくらい、はっきりとあの日のことが思い出されます。ああ、懐かしい~~っ!!

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

エコナビで新コラム開始!新シリーズ「オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!」

エコナビ新シリーズ「オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!」
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環境情報サイト「エコナビ」で新コラムを開始しました!

新シリーズは「オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!」。

雄大な自然やその特徴、地域によって異なる環境とそこで育まれてきた独自の生態系にスポットを当て、オーストラリアの魅力を再発見してもらえるような内容にしていけたら、と思っています。

第一回は「知っているようで、意外と知らないオーストラリアという国。

タイトルの通り、よく知られた国でありながら、意外とみんなが知らないことがいっぱいあるオーストラリアについて、のイントロ的な内容になっています。

今回のシリーズのコンセプトは以下のような感じです。
これまでの連載同様、どうぞよろしくお願いします!

7つの州と準州、そして、首都特別地域からなるオーストラリア。
日本の約20倍もの面積を誇る広大な国土には、熱帯から温帯、そして乾燥(砂漠)気候など、寒帯(亜寒帯を含む)を除いた地球上でみられるほとんどの気候帯が存在します。また、南半球にあるため、日本とは季節が逆。理論上ではわかっていても、実際に体験してみると不思議な感じがするかもしれません。

そして、以前のシリーズ「オーストラリアの野生動物保護」でもご紹介したように、この国には、ゴンドワナ大陸から引き継いだ自然が残ることから、他の大陸では見られない固有の動植物がたくさん見られますが、こうした生態系にも気候の違いが強く影響しています。そのため、地域ごとにも独自性が強く現れ、かなりユニーク!

こうした地域によって異なる自然環境とそこで育まれてきた独自の生態系にスポットを当て、各州の特徴を中心にご紹介していきたいと思います。

エコナビ「オーストラリアのユニークな自然環境に迫る!」

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ブリスベンのコラム4部作、ついに完結!?【海外旅行情報サイトRisvel 連載コラム】

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海外各地の旅行情報サイト「Risvel」の連載コラムで、5月末から書いてきたブリスベンのコラム4部作。先日最後となる4回目のコラムをアップしました!

とりあえず、Risvelでのブリスベン関連コラムはこれにて(とりえず)完結です♪( ´θ`)ノ

ラグビー観戦から、おすすめのカフェ&レストラン、そして、見逃せない観光スポット&アクティビティなどをご紹介しています。

ブリスベンにはまだ行ったことない!という人はもちろん、ブリスベン・ファンの人もぜひ、チェックしてみてください。ブリスベンの新しい顔を発見できるかもしれませんよ?

brisbane1【第一回】変貌するリバーシティ・ブリスベンで、熱血ラグビー観戦!

brisbane2【第二回】朝食&ランチにわざわざ行きたい!ブリスベンのカフェ&レストラン

brisbane3【第三回】雰囲気バツグン!ディナーにおすすめ ブリスベンのレストラン&バー

brisbane4【第四回】ブリスベンを120%満喫する!おすすめスポットとアクティビティ

Risvelでのブリスベン・コラムは、とりあえずここまでとなりますすが、「オーストラリアNOW!」のほうでは、引き続きブリスベン関連の記事もアップしていく予定ですので、ブリスベン・ファンの皆さん、お楽しみに~♪

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ポケモンGOで甦る愛しのアイアンマン ~ポケモンが運んできたちょっぴり切なくて心温まる物語

ポケメモリアル ポケモンGOで甦る愛しアイアンマン
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世界を席巻しているポケモンGO。一昨日、日本でも解禁となり、どこもかしこもポケモンGOの話題一色!といっても過言ではないほど。オーストラリアでは日本に先駆けて10日より開始しており、熱中する人続出でサーバーがダウンする騒ぎに。

〔参照〕ポケモンGO、豪ではついにサーバーがダウン 熱中し過ぎに警告も

そんなポケモンGOが、ついにローカル紙にまで取り上げられるようになったか…と、いささかうんざり気味で記事を読み始めたところ、予想外の展開に…………思わず涙。。

ローカル紙の表紙を飾っていたのは、ポケモンGOでポケモンと記念撮影する一人の女性。当地のビーチ際でよく見かけるベンチの前で撮影していた。

そこは、シドニー北部ビーチのクイーンズクリフ。この場所が思いがけずポケストップとなり、彼女は驚きと共に様々な思い出が蘇ってきたという。

このポケストップとなったベンチの横には、ひとつのプレートが掲げられている。彼女の弟、サクソンの名が刻まれたメモリアル・プレートだ。そのすぐ前に、ポケモンが現れた。悲しい思い出と懐かしい思い出が交錯するポケモンの記憶――――――――

記憶は6年前の2010年に遡る。

ゴールドコーストで開かれていたオーストラリア最強のライフセーバーを決めるイベント「アイアンマン大会Ironman (Surf Life Saving Championships)」に、彼女の当時19歳の弟サクソンが出場していた。

サクソンは、クイーンズクリフのサーフ・クラブに所属し、若くしてライフセーバーとして活躍。水泳やサーフィンの能力はもちろんのこと、ライフセーバーとして必要なスキルのすべてにおいて長け、将来を嘱望されていたティーンエイジャーだ。

ライフセーバーにとってはその能力の高さを証明し、この職種において最高峰の称号となるのが「アイアンマン・チャンピオン」である。サクソンは15歳以下、17歳以下の部でたて続けにタイトルを獲得し、オーストラリア最強のティ-ンエイジ・アイアンマンとして名を馳せた。

そして2010年、彼のティ-ンエイジャーとして最後のタイトルとなる19歳以下の部に出場。当然のごとく、優勝すると見られていた。

ところが、この時、アイアンマン大会が開かれていたクイーンズランド州沖には、カテゴリー2のサイクロンが接近、海は大荒れ。大会が開かれるゴールドコースト沿岸部へも高さ4.5メートルに達する高波が押し寄せると予測されていた。しかし、大会主催者は、国内最高クラスのライフセーバーばかりが出場することから、海の怖さを甘く見ていたのか、大会を延期することなく決行した。

これが彼の運命を大きく変えることに――――

19歳以下の部のサーフスキー・カテゴリーに出場していたサクソンは、運悪く大波にのまれ、海の彼方へと消えてしまったのだ!

国内最高クラスのライフセーバーが集結していたにも関わらず、その場にいた100人以上のボランティアさえもどうすることもできずに、彼の姿を見失った。

荒れ狂った海は、サクソンを連れ去り、見つかったのは南へ1kmも離れた場所だったという。意識不明の状態で発見されたサクソンは、急いで病院へと運ばれたが、彼の意識が再び戻ることはなかった。

そしてサクソンは伝説の人となった。

彼が所属したクイーンズクリフ・サーフ・クラブ傍のビーチ前には、彼の栄光を称え、その名を刻んだプレートが掲げられた。

サクソンは子供頃、ポケモンが大好きだったと、姉アリエールは語る。
二人で一緒にポケモン・カードを集め、サクソンはすべてのカードを集めて自慢していたという。そして、二人で父親にお願いしてポケモンの映画に連れて行ってもらった時には、父が寝入ってしまい、サクソンと一緒に引きずって帰ったこともあったそうだ。

そんなポケモンが大好きだった亡き弟のメモリアル・サイトに突然現れたポケモン。

彼女は今、愛する弟がポケモンになって現れたかのような気持ちなのではないだろうか。

アリエールはサクソンを思い出しながら静かに口を開いた。

「ポケモンがここに現れて、サクソンもきっと喜んでいることでしょう。ポケモンGOをきっかけにこの場所を訪れることで、もっとたくさんの若者たちがオーストラリア最高クラスのライフセーバーの一人であった弟サクソンのことを知り、子供たちがサクソンをお手本として、この場所から彼の意志を継いでいってもらえたら嬉しい」

サクソン・バード メモリアル・サイト

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オーストラリアNOW! 完全リニューアル!ついでにこのブログもリニューアル♪

オーストラリアNOW! 旅行情報サイト
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1998年から運営してきたオーストラリア情報サイト「オーストラリアNOW! 」ですが、独自ドメインで運営し始めて、早6年。

もうお気づきの方も多いかと思いますが・・・

今月8日より、「オーストラリアNOW! 」が完全リニューアル!!!\(^o^)/\(^o^)/

こちらもずーっとやろう、やろう、と思っていて、なかなかできなかったデザイン変更とモバイル対応対策を、会社のウェブサイトをリニューアルした勢いで、エイヤっ!とやってみました~p(^_^)q

・・と簡単にやったように言ってますが、(たしかに会社のウェブサイトは割と楽にできたんですけど…)ひっさびさにPHPとかCSSとかのコードやタグと格闘し、頭がジンジンしながらやっていたのでした、、今もジンジンしてるけど…(^_^;)

もともとのサイトも一応、なんとかモバイル表示にはさせてはいたのですが、無理矢理だったため、早く完全モバイル対応にしなければ!とずっと思っていたので、これを機に「オーストラリアNOW! 」もモバイル・フレンドリーなデザインに。

そしてついでなので、このブログもモバイル・フレンドリー・デザインにしました!

…って、このブログ見てる人はデザイン変わったの、もうとっくに気づいてますね。。

オーストラリアNOW!は、カラフルで楽しい感じにしてみました。トップページでは、オーストラリア関連のビデオ(動画)を挿入し、定期的に新しい動画をご紹介していこうと思っています。(現在、自動再生になっているのですが、どう思いますか?)

そしてこのブログは、モバイル・ファーストで、モバイル表示優先のデザインになっています。見にくい点などありましたら、ぜひ、ご意見お聞かせいただけるとうれしいです。

また、オーストラリアNOW!もこのブログも以前のデザインのままのページが少し残っていて、まだまだお見苦しい点がありますが、徐々に改善していきますので、気長に温かい目で見守ってくださいませ。。。

オーストラリアNOW!、会社のサイト、そしてもちろんこのブログも、今後ともご愛顧いただければ幸いです♪

オーストラリアNOW!トラベル

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会社のウェブサイトをリニューアルしました!

オーストラリア取材・ロケ・撮影コーディネート ウェーブ・プランニング
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ずーっとほったらかしにしていた会社(Wave Planning Pty Ltd.)のウェブサイトをリニューアルしました~

先月20日より新規オープン(?)しています。
1ヶ月間、不具合などをチェックしながら様子を見てきましたが、もうたぶん大丈夫のよう… ヤタ\(^o^)/

今回、重い腰を上げて、完全に一から作り直したのですが、今時はモバイル・デバイス(スマートフォン=スマホやタブレットなど)で見ている人が増えているので、完全モバイル・フレンドリーに!

レスポンシブ・デザイン(見る環境、画面サイズによって勝手に調節する仕様)なので、どんなデバイスでご覧いただいても見やすく表示されるはずです… が、もしうまく表示されなかったら、ぜひ教えて下さい。

トップページは、オーストラリアにもこんなところがあるんですよ~ということで、ちょっと「秘境」ぽい感じの写真を使ってみました。

そして、会社サイトのほうでもちょっとしたブログ・コーナーがあります。このブログとどのように差別化していくか、まだ試行錯誤しておりますが、こっちはたぶん、これまで通り、くだけた感じでやっていこうと思っています。(いや、どっちもくだけてるっしょ!というツッコミはなしで…(^_^;))

また今回は、サイト自体の構造やデザインだけではなく、きちんと業務内容や業績なども明記し、ご要望の増えつつある分野に最適なサービスが提供できるよう、これまで以上にがんばっていく所存です。

会社共々、今後ともどうぞよろしくお願いいたします♪

オーストラリア取材・ロケ・撮影コーディネート Wave Planning (ウェーブ・プランニング)

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執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

シドニーを襲った100年に一度の猛烈な嵐が示唆するもの

シドニー北部沿岸部で被害にあったビーチフロントのカフェ&パブ
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 2016年6月3日の夜から5日にかけて、シドニーを100年に一度という猛烈な嵐が襲いました。

 今回の嵐は、北からの暖かく湿った空気が大量の雨と強風をもたらし、ブリスベン辺りから南下しながら移動。シドニーに到達する頃には、サイクロン(台風)のカテゴリー1級となり、わずか2日程度で6月の平均降雨量に達したほど!

 嵐の通過ルートとなった東部沿岸部一帯で、川の氾濫や貯水池が溢れるなどして洪水が発生、各地で大きな被害を出しました。

 中でも、最も大きな被害が出たのが、シドニー北部ビーチ『ノーザン・ビーチズ』と呼ばれる地区の湖と海に面したエリアです。かつてないほどの豪雨に見舞われ、大量の雨水が湖に流れ込み、湖があふれ、周辺の住宅地が浸水。

 その上、5日がちょうど新月に当たり、大潮(潮の干満の差が最も大きくなる)となったことから、満潮時には2m以上海面が上昇。この湖は、海と繋がっているために、満潮時には湖面も上昇し、さらに大量の水が周辺の住宅地に溢れだしてしまったのです。この結果、この地区の住民数百人が避難を強いられることになりました。

 また、海面上昇と共に猛烈な嵐が高波を引き起こすことが予想されたため、海に面した住宅はとくに注意が必要でした。

 実は、嵐が本格化する前の3日午前中のうちに、SES(State Emergency Serviceの略で、州の緊急救助隊)が、『津波避難マップ』を発表していました。これは、津波などによって洪水が発生した場合、どの辺りがどの程度浸水し、被害がでるかをシュミレーションしたものです。

 しかし、SESのFacebookにこのマップのことが投稿された途端、「この嵐によって、こうなるというの?」「こんな時に発表しなくても!」などと、批判的な書き込みが相次ぎ、パニック騒ぎとなったため、SESが「津波警報ではない」とコメントを発表するなど、大きな騒動に発展。人々は、被害に遭うことなど想定しておらず、他人事のように思っていたのかもしれません。

Tsunami evacuation maps for Sydney and NSW making waves on social media
‘This is not a tsunami warning’: Evacuation maps cause panic

 ところが、実際、シドニーに嵐がやってきた時、まさにこのマップの避難レッド・ゾーンとされたエリアが、とんでもない被害に遭ってしまったのです!

 猛烈な嵐が引き起こした高波が、満潮時の高潮と相まってその威力を増し、海は大荒れ。津波避難マップでレッド・ゾーンで示されたビーチ・フロントの住宅に、巨大な波が襲いかかりました。

 波の破壊力は凄まじく、ビーチ(砂浜)が50メートルほどそっくりさらわれ、住宅の一部が崩壊。プールや塀、バルコニーの土台などが海側へ落ちてしまいました。この住宅は、嵐が去った今でも、高潮による大波が押し寄せているために、毎日、徐々に土地がえぐられ、今にも家屋が落ちそうな状態になっているところもあります。

 実は、このビーチは、以前から専門家らがこうした危険性を指摘しており、シー・ウォール(防波堤)を造る計画がありました。2002年には、該当カウンシル(役所)が、1.1kmほどのシー・ウォール造成計画を発表したところ、住民らの猛反対にあい、数千人規模のデモに発展。計画がとん挫した経緯も…。

Wall of humanity lines up against councils November 18 2002

 その後、2014年にもシー・ウォール造成が議会で認可承認されたのですが、費用をだれがどの程度負担するかで揉め、計画途上となっていたのです。

 というのも、こうした問題は、関係するのが個人の所有地となり、それを造ることによる恩恵を受けられるのは、あくまでもそこに住む住民のみですので、公費(税金)をどこまで投入していいのか、という難題がつきまといます。無関係の住民は、税金が使われることに反対の立場をとるでしょう。

 シー・ウォールを造るのには、一軒当り140,000豪ドル(現在のレートで1,116万円程度)かかるそうですので、喜んで払いたいという人は少ないでしょうし、ましてや自分にはなんら関係のない人が、支払った税金が使われることを嫌がるのも無理からぬ話。

 とはいえ、カウンシルと州政府もこのまま放置するわけにもいかず、該当住民と話し合って、被災した住宅が面している海側に共同でシー・ウォール造るという話になってきていますが、わずか500メートルほど1ブロック先の住民らは、「うちだってまったく被害がないわけじゃないし、今後、同じようなことが起こらないとも限らないのに、うちのところには造ってもらえないなんて!」と、不公平感をあらわに…。

 それに津波だけに限らず、川が氾濫しやすく、洪水が起きやすいエリア、豪雨などで地滑りが起きやすいエリア、この国ならブッシュ・ファイヤー(森林火災)が起きやすいエリアなど、様々な自然災害の危険性が高いとされるエリアは、言い出せばきりがないほど、他にもたくさんあります。

 高波に襲われる危険の高いビーチ・フロント住宅のみ、役所や州政府の援助の下で災害対策が施されるのはフェアじゃない!他にもあるこうした様々な自然災害の危険と隣り合わせで暮らしている住民たちへの援助はどうなるのか?など、厳しい意見もチラホラ……。

 ビーチ・フロントの家は、たしかに風光明媚で、住んでいて気持ちいいことでしょう。毎日、目の前に広がる海を眺めながら暮らせるなんて、なんて贅沢な!と思う人も多いと思いますが、こうした被害に遭うリスクは、どうしても高くなることは否めません。リスクを覚悟で住むか、という問題に直面しそうです。

 今回の件で改めて感じたのは、住むところを決める時は、可能な限りリスクの低い場所を選んだほうがいいよなぁ…ということ。自然の脅威は、人間が推し量ることなどできないと認識しておくことが重要だとつくづく実感したのでした。保険会社や役所との骨の折れる交渉も含め、誰の責任だとか、誰の(何の)せいだとかいう面倒な闘争にも巻き込まれたくないしね…(^_^;)

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