聖地をぶち壊す、傍若無人なアメリカ人

標準

クイーンズランド州北部の町クックタウン郊外にある、先住民族アボリジニの聖地を訪れるツアーに参加したときのこと。この日ツアーに参加したのは、アメリカ人グループ6名とオージー夫婦、ドイツ人カップルと私達の計12名ほど。

その聖地は、参加者の中には途中で涙を流し、座り込んでしまう人もいるという、強力なパワースポット。今、パワースポット/聖地として人気のアメリカ・セドナよりも波動値レベルが高いと、世界中のヒーラー達が密かに注目している場所ということで、ちょっとワクワクどきどきしながら向かう♪

先住民族アボリジニ達が守ってきた閉ざされた聖域。しかし、汲々とした現代社会で生きていかなければならない現状では、その子孫達でさえ、やがてその意味を忘れ、太古の時代より伝えられてきた神話や逸話は、語り継がれることなく途絶えてしまうであろう運命が近づいています。そうした現状を憂うアボリジニのウィリー・ゴードン氏が、広く一般の人々にもこの場所の持つ重要な意味を考え、後世へと伝えて欲しいという願いから、はじめたのがこの聖域をめぐるツアー。

未舗装路が続く未開の地に、まったく自然のままの状態で残されているその場所には、いくつもの洞穴があり、そこには無数の壁画が描かれています。その場所を案内しながら、現代社会を生きる者にとって大切なもの、忘れてはならないことを説くウィリー。哲学的で意義深い彼の言葉ひとつひとつに、心を打たれる思いがするほど。涙こそ流さないけれど、いちいちうなずいてしまう私。

そう、彼の言うこと、スピリットはまさに、人類にとって最も大切な基本理念!!だと。

洞穴の中で人生を諭す、アボリジニ聖地ツアー

が、しかし!

そんな思いや感銘をぶち砕いてくれた方々が。。

ウィリーが、「あなたは何を学び、それをどのように生かせていますか?」と聞けば、「我国のカリフォルニアの大学は・・・・・・・」と、誰も聞いていないアメリカの大学の豪華な設備やカリキュラムについて、延々と話し出す。そして、洞穴に入った時、ウィリーが「この場所は、祖先からのバースプレイス(誕生の地)だったのです」と言えば、「えーっ!?こんなところでお産??信じられなーい。不衛生じゃない」と大声で喚く。

ひとりでバクバクとオレンジを食らうアメリカ人さらに、太陽が出て急に気温が上昇してきたこともあるけれど、歩きながら水をガブガブ飲んでいたからか、アメおっさんは途中で立ちショ○までする始末…(- -;

そして、そのまた別の洞穴に移動したところでウィリーが「オレンジを持ってきたので、よかったどうぞ」と差し出してくれたのだけれども、オレンジの数が人数分には足らないため、皆手を出しにくく、少々遠慮気味。そこへ、立ちショ○で後から洞穴にやってきたおっさんが、「あーオレオレ、オレンジもらうよ」と一人手を出し、いい香りを漂わせながら剥き始め、隣の人に勧めるでもなく、ひとりでバクバクと全部食べてしまったのでした………。

もうホンっと、世界の困ったちゃん=アメリカ人、を実感した日でありました。

あ、アメリカ人と一緒でなければ、非常に意義深いツアーであったことは、ここに間違いなく宣言いたします! いいグループに当れば(?)、超おすすめです。

それにこのツアー、本当に不思議なこともありました。ツアーの最初のうちに、長い時間歩いたわけでもなく、足場が極端に悪かったわけでもないのに、私はなぜか腰のあたりに痛みにも似た軽いだるさのような違和感を覚えたのです。そしたら、そのすぐ後に辿りついた洞穴が「バースプレイス」だったところ。つまり、出産の場所に近づくにつれ、腰がだるくなってきた…というわけです。うーん、不思議!やっぱり、聖地なのかも??

About Me
Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

聖地をぶち壊す、傍若無人なアメリカ人」への2件のフィードバック

  1. ZUZU

    引越しの連絡ありがとう!
    早速おじゃまさせていただきます。(^^)

    さすがアメリカ。
    超超超超……環境後進国だけのことはありますね。
    それなのに、エラソーに
    見せ掛けだけのエコぶりっこだけは欠かさない。
    そーいうトコは、私もフロリダでいやっちゅーほど
    見せ付けられました。^^;)

    • Miki Miki

      早速お越しいただき、ありがとうございます!

      「見せ掛けだけのエコぶりっこ」
      ホンッとそうですね~。
      ああいうの見ていると腹立ちますよね。
      私もですが、ツアーガイドのウィリーも閉口してました…。

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