残念ながら1次リーグ敗退が決まり、日本ではもうきっと記憶の彼方に忘れ去られそうな感じなのだろうと思うラグビー・ワールドカップ2007。
オーストラリアはゲバ票通りに(?)1次リーグを全勝で通過、これからが勝負です。
…ですが、、当地ではいまだにイマイチ盛り上がりに欠けている状況が続いています。
それは、なぜかというと、それよりも皆にとって大事なNRL(ナショナル・ラグビー・リーグ)の決勝が本日だから。
その上、昨夜はAFL(オーストラリアン・フッボール・リーグ)の決勝もあったので、ほとんどの人がそちらに夢中で、ワールドカップどころじゃないわけです。
ラグビー大国なぞと言われるオーストラリアですが、実は日本で一般的に知られている15人制ラグビー(*)の人気はそれほどでもないのです。
(*)=現在ワールドカップが行われているのはこの15人制で、オーストラリアではユニオンと呼ばれる。
オーストラリアでラグビーと言えば、NRLスタイルの“リーグ”と呼ばれる13人制が主流。ほとんどの人は、このリーグ13人制の競技者だったり、サポーターだったりするのです。
それにオーストラリアで一番人気のスポーツは何か?と聞かれれば、誰しもが口を揃えて「AFL=フッティ(オージー・ボール、オーストラリアン・ルールズとも呼ばれる)」と言う、ラグビーより小さめな楕円ボールをどんどん前に進めキックでゴールを決めるのが特徴)」と答えるでしょう。
だから、国代表の1次リーグ突破は確実なワールドカップなんかのことよりも、自分達がサポートしているチームが決勝に進むことが先決。てなわけで、皆AFLとNRLに釘付け。
さて、同じラグビーと言えどもリーグとユニオンでは、ルールがかなり異なっています。
リーグではラグビーの醍醐味とも言えるスクラムやモール、ラックなどがなく、反則があった場合などもその地点からすぐにボールを回すのが特徴。
いちいちゲームの流れを妨げずに、さっさとゲームを先に進めたいという思いからこうしたルールになったのかとも思うのですが、伝統的な15人制ラグビーを見てきた者としては、なんだか物足りない…。
「せっかちなオージーどもめ!」と悪態をつきたくなるのであります(苦笑)。
聞くところによれば、例えば高校などの授業の一環としてラグビーをする場合、パブリック=公立校ではリーグを、プライベート=私立校ではユニオンをするケースが多いとか。
つまり、ユニオンはお坊ちゃまがやるお上品なスポーツで、一般人(?)は荒々しくもたくましいリーグをするのだ!というのがオージー流らしい…(ホントか?)。荒っぽいのがオージー好みなんですね。
その証拠に、一番人気のフッティは一般的に一番荒っぽいスポーツとされているわけで。そんなことからも「ほ~ら、やっぱり…(- -;」と思えてきます。
そんな風に考えながら、昨夜のワールドカップ1次リーグ最終戦カナダ vs オーストラリア戦を見ていたら、カナダの選手達がなんともスマートに見えてくるではないですか。
それに比べ、オーストラリアは……、うーん、、、、どう見ても荒くれ者。野蛮な感じがぷんぷん漂っています…(^^;
いまのところまだ国民の関心は集まっていないラグビー・ワールドカップ2007ですが、NRLの決勝が終えれば、そっちにシフトしてくるはず。
“ワラビーズ”というあまり強そうではないチーム・ネームのオーストラリア代表ですが、2007年大会では王座に付けるのか?これからが楽しみです♪
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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