捨てられなかった新聞 ~311東日本大震災を振り返る

311の東日本大震災を報じるオーストラリアの新聞
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 あれから1年。もうそんなに経ってしまったのか、という思いと、まだ1年なのか…という思いが複雑に交差する。

 2011年3月11日。当地シドニーでは夕方に差し掛かる頃、ふとつけたテレビのニュース映像が、突然、BREAKING NEWS-速報-に切り替わった。

 映し出された映像は、大海原から押し寄せてくる白い波。横に長く一直線に白線を引いたような波が、陸地に向かって押し寄せていく瞬間だった。アナウンサーは、「日本で大きな地震が発生した模様です」と早口に告げる。

 え?日本??

 Japan, Earthquake, Tsunami という単語を処理しようとするが、動揺してしまって、頭の中が真っ白になっていく。そして、次の瞬間に映し出された映像は、日本のどこかのテレビ局内を撮影した映像。激しく揺れる電灯や倒れてくる棚や机…そこに映っている人や文字から、やはり日本なのだ、と頭が理解する前に視覚でむりやり認識させられたような格好だ。

 そのまましばらくニュースに釘づけになっていた私は、はっと我に返り、実家へ電話してみるが、一向に繋がらない。一体どうなっているんだ?大丈夫なのだろうか??と、動揺と焦りがどんどん大きくなって、胸が潰れそうになったのを覚えている。

 オーストラリアのニュースチャンネルは、あの瞬間からずっと日本の地震、津波に関する緊急特番を放送し続け、私は家族との連絡が取れず不安を抱えながら、食い入るようにテレビ画面を見つめていた。結局、夜半には実家と連絡が取れ、無事を確認できたが、その日はそのまま、深夜までテレビから目が離せなかった。

 翌日の新聞は、当然のごとく、日本の地震のことが一面を飾り、悲惨な日本の写真が否応なしに目に飛び込んできた。その翌日も、そのまた翌日も……オーストラリアの新聞は、震災翌日の3月12日から5日間ほど、日本の被災地の写真が大きく一面になった。

 無残にも瓦礫の山と化した生まれ故郷を前に膝を抱えて泣き叫ぶ少女、降りしきる雪の中で力尽きるようにへたり込む老人…

 新聞に掲載された写真はどれも生々しい日本の現実が切り取られていた。そして、この5日分の新聞は、1年経った今も捨てられずに部屋の片隅に重ねたままになっている。

About Me
Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

チェルノブイリ原発事故(放射能)と狂牛病の奇妙な関係

狂牛病発症は牛たちが被曝したせい?
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 チェルノブイリ原発事故から25年。事故発生は1986年4月26日、その頃私は日本にいたが、その6年後の1992年、英国ロンドンの地に降り立っていた。

 今から思えば、相当放射能汚染された物を食べていたんだろうなぁ…と考えつつ、あの頃の食生活を思い出しながら、あることに気が付いた!

 ロンドン滞在中には、その後日本でも問題になる「BSE(牛海綿状脳症)」こと狂牛病騒動が起き、牛肉を食べる機会は限りなくゼロだったし、同時期にドイツでの豚肉サルモネラ菌蔓延等もあって、鶏肉ばかり食べていた。今思い出しても、かなりヒモジイ感じの食事だった(苦笑)。

 イギリス国内で最初の死亡者が出た「狂牛病」。その後、死者は増え続け、確か100名以上に上ったと記憶している。当時、英国政府は国内で飼育されているほとんどの家畜牛を焼却処分し、病気の蔓延を防ごうとしていた。思い出せば当時、英国内では牛肉がほぼ一斉にスーパーから消え、代わりにオーストラリアから輸入された「エミュー」の肉が並んでいた。そういえば、あの時初めてエミュー肉を食べたのだった。

日本でも宮崎をはじめとする各地で「口蹄疫」が流行ったことがあるが、「狂牛病」=死者が出た=人間にうつる、というイメージを植え付けないための情報操作のようにも感じる。これは単に口蹄疫は人間にはうつらないが、狂牛病はうつると一般的にはいわれているからだ。そう思う根拠は、イギリスで騒動になった頃も最初は「foot-and-mouth disease(口蹄疫)」とされていたが、死者が出た頃から「mad-cow disease(狂牛病)」と変わったように記憶している。

狂牛病=BSEとは?

 狂牛病=BSEは、スクレイピーという神経を冒す病にかかり、プリオン異常が起こった羊の残骸を餌として与えたことから、牛に感染。本来は人には感染しないと言われていた羊の特有の病だったはずのスクレイピーが人間に感染したと言われている。

 そして、こうした経路でBSEにかかった牛が、さらに肉骨粉となり、家畜飼料として世界中に散らばり、各地で狂牛病が発生した、と信じられている。(注:オーストラリア、ニュージーランドは輸入していないため、発症していない)

 「狂牛病」騒ぎの発生源がイギリスだったことから、当時の発症元はイギリス国内だけと思いがちだが、実は、イギリスに比べると数は少ないものの、イギリスで最初の発症者が出たのとほぼ時を同じくして、ヨーロッパ各地で発症していたのだ!(参考資料 , ドイツのレポート, ポーランドのレポート

 ここで、ふと、あることに気が付いた。それは、「チェルノブイリ原発事故後に、イギリスも放射能汚染されたのだから、狂牛病はそれと関係ないのだろうか?」ということ。

遺伝子の異変によっても起こる狂牛病

 まず、狂牛病について、もう一度おさらい。Wikiに興味深い記述を発見した。(参照

2008年9月11日、米国農務省(英語略:USDA)動物病センター(英語:National Animal Disease Center/UADC)で研究を行ったカンザス州立大学のユルゲン・リヒト(Jurgen Richt)教授は、BSEの病原体である異常プリオンは外部から感染しなくとも牛の体内での遺伝子の異変によって作られ、BSEを発症する例につながると発表した。この発表は2006年アラバマ州でBSEを発症した約10歳の雌牛の遺伝子の解析から異常プリオンを作る異変が初めて見つかったことによる。人間でも同様の異変が知られ、クロイツフェルト・ヤコブ病を起こす。

つまり、外部から感染しなくても、遺伝子異常で起こる可能性があるということ。

 ということは、やはり、チェルブイリから約2000キロも離れたイギリスまで届いたという、原発事故由来の放射性物質による可能性も否定できない。放射性物質による被曝で遺伝子異常が起こる可能性があることは、よく知られている事実だ。

チェルブイリ原発事故と狂牛病発生時期は重なるという事実

 さらに様々な文献をあたっていて、興味深いものを発見した!

 それは、ハンガリーのブタペスト技術経済大学Budapest University of Technics and Economyの博士課程の学生が2000年に発表した研究論文だ。原文のまま、該当箇所を抜き出してみる。

The Chernobyl accident occurred at 01:23 hr on Saturday, 26 April 1986, when the two explosions destroyed the core of Unit 4 and the roof of the Chernobyl reactor building.

In Britain, the first cases of the Mad Cow Disease can be dated back to 1986, in the same year when the Chernobyl accident occurred.

 まず、チェルノブイリの原発事故で炉心が破壊され、2度の爆発が起こったのが1986年4月26日土曜日の1時23分であることに触れ、イギリス国内で最初の「狂牛病」が発症したのが同じ1986年に遡ることができると指摘している。このことが示すのは、私が在英時代に狂牛病が騒動になったのは初の死亡者が出たからであって、実はその前から発症していた患者はいたということ。裏を返せば、1986年以前には発症していないということだ。

The Chernobyl accident occurred 15 years ago, nevertheless the caesium-137 (half-life: 30 years) radionuclides and strontium-90 (half-life: 90 years) radionuclides could be the most likely candidates for causing the MadCow Disease in cows and the Creutzfeldt-Jakob Disease in humans.

 そして、チェルノブイリの事故は15年前ほど前のことだが、セシウム137(半減期30年)やストロンチウム90(半減期90年)といった放射性物質が大量に放出されたことに触れ、それらが狂牛病および人間に発症するクロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こす有力な候補となる、としている。

 つまり、チェルノブイリ原発事故由来の放射能で牛たちが被曝したことで、遺伝子異常が起き、BSE=狂牛病が発症したのではないか?ということになる。

放射能という目に見えない敵が放つ、形を変えた攻撃

 この研究論文では「科学界は、チェルノブイリ事故の影響を一部分しか究明しておらず、こうした知らない事実が多いにもかかわらず、英国政府もそうした事実を心配もせず、調査しようともしていない」と指摘する。この論文以外にも、調べてみると「狂牛病とチェルノブイリ事故の関連性は否定できない(明らかになっていない)」とする意見もかなりあるようだ。

 チェルノブイリ原発事故は、旧ソ連下にあったということもあり、事故の検証も完璧にはできていないばかりか、放射能が人間や生物、植物などの生態系に与える影響も、いまだよくわかっていない。しかも、突き詰めて調査研究もできていない(事実は「公表されていない」が正しいかも?)…というのが今の現状なのである。それは、そうした調査研究ができるだけの国力のある国のほとんどが原発推進国である、ということと無関係ではなさそうな気がする。

 …と、ここまで書いて、ピンとくる人もいると思うが、今回の福島の原発事故により、今後、狂牛病のような(もしくはそれ以上の?)わけのわからない病気が蔓延する可能性もあるということ。また、上述のWiki引用文にあるように「人間でも同様の異変が知られる」ということも、一応留意しておくべきだろう。放射能という目に見えない敵が仕掛けてくる攻撃は、後で形を変えて現れることも否定できない……ということを忘れてはならない。

続)放射能と狂牛病の奇妙な関係 (2012 年 9 月 27 日付け)

【参照】

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カカドゥから、日本そして東北を応援する力強いメッセージ

カカドゥのアボリジニ・グループが作った日本応援のマーク
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 先週末、先日ご紹介したクーンガラの世界遺産組入れのために渡仏していたクーンガラ地区の部族代表であるジェフリーはじめ、同カカドゥ地区に暮らすアボリジニ・グループの代表らがオーストラリアに戻ってきました。

 彼らのサイトでその報告を読んでいて、驚く発見をしたのです!

 ずっと小さなアイコンしか見えていなかったので、彼らの使っているマークに何と書かれているのか読み取れていなかったのですが、アボリジニのフラッグカラーを使ったそのマークの外側にあったのは……

頑張れ、日本

頑張れ、東北

カカドゥのアボリジニ・グループが作った日本応援のマーク※クリックでサイトに飛びます。

 なんと!驚くことに、彼らは自分たちを表すマーク=シンボル(象徴)に、日本応援のメッセージを刻み込んでくれていたのです。これを見つけた瞬間、胸がいっぱいになり、熱いものが込み上げて来たのは言うまでもありません。。(涙)

 横には、このマークに関する説明も書かれています。

 ”In sympathy and solidarity with the people of Japan change your social media profile image to this logo, which reads “Ganbare, Nihon. Ganbare, Tohoku.(Courage, Japan. Courage, Tohoku).”

 「日本の人々への共感(同情)と連帯の気持ちを込めて、ソーシャルメディアに表示される画像をこのロゴに変えました(あなたも変えようよ、と言っています)。これはこのように読みます。“ガンバレ、ニホン。ガンバレ、トウホク”」

 そして、最後に “頑張れ、日本。頑張れ、東北” の『頑張れ』意味を英語のCourageと説明しています。

 Courageは勇気とか度胸を意味する単語ですが、このCourageには、精神的な意味合いが強く、信念を貫くといった感じもあり、強いて意訳すれば「苦難や不幸な出来事にもくじけず、恐れずに立ち向かう勇気」と言えるのではないかと思います。

 苦難や不幸な出来事にもくじけず、恐れずに立ち向かう勇気を持って、頑張れ!

そんな意味合いを込めて、自分たちのシンボルに刻んでくれた「頑張れ、日本。頑張れ、東北」の文字。カカドゥのアボリジニの人々に、何度「ありがとう」を言っても足りないくらい、感謝の気持ちでいっぱいです。。

【関連コラム】

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感動の名曲!今、私たちはひとつになる。We’ll Be One

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もう記憶の彼方になっている人も多いかもしれませんが、シドニーオリンピックの閉会式で歌われた楽曲「We’ll Be One」。メロディもさることながら、歌詞がなかなかよかったなぁと記憶していたので、もう一度引っ張り出してみました!

そしたら、思っていた通り、今、こんな時にこそ聞きたいスバラシイ歌詞!!感動したので、ここに書き留めておきます。歌ったのは当時13才だった女の子Nikki Webster。開会式にも出演し、歌を披露しました。「世界がひとつになるとき」をテーマに、あの歳にして感情たっぷりに歌い上げた彼女は天才ですね。

東日本巨大地震で、失われつつあった絆が今、見直されています。「共に手を取り合って、一緒に歩いていこう。終わりなんて信じない。一緒に、すべての世界へ希望と喜びをもたらそう」といった内容の歌詞は、こんな時だからこそ、希望の光を灯してくれるような気がします。一応日本語で意訳をつけてありますが、完璧ではありませんゆえ、ご勘弁を…(^^;

(注意)2番の歌詞は、オリンピック閉会式ならではの歌詞。聖火が燃える様子とオリンピアンたちがこの日を持って、この地(シドニー)を去ることを言っています。

We’ll Be One

I am a child who has a dream.
A dream to be strong;
to stand for where I’m from.
 
私は夢を持った子供
それは強くあり続ける夢
そして私がどこからやってきたかという夢

 
Now I can see all the world around me,
holding me close
in this world where we belong,
and I know in my heart we’ll be flying
for I believe the day has come
 
今私は自分を取り巻くすべての世界を見ることができる
私を抱き寄せて
私たちがいるこの世界で
私は知っている。心の中で、私たちは飛びたつことを
私はその日がやって来たと信じているから

 
when we’ll all raise our hands together
and hope that this day brings peace to all.
We can walk side by side forever
to follow our dreams
and hope that this means
We’ll be one
 
私たちは共に手を取り合い高くかざして
この日がすべてに平和をもたらすことを願おう
私たちは並んで一緒に歩いていける、ずっと
私たちの夢を追いかけて
「私たちはひとつになる」それを願いながら

 
 
I will remember forever
this day we say goodbye
to the heroes by our side,
and as the flame burns so brightly around us
shining a light
as it journeys on tonight.
 
私は永遠に忘れない
われらの英雄たちに別れを告げるこの日のことを
私たちの周りで炎がとても明るく燃えあがり
光輝く
そして今夜、旅立つ

 
So let’s all raise our hands together
and hope that this day brings peace to all.
We can walk side by side forever
to follow our dreams
and hope that this means
We’ll be one.
 
だから、共に手を取り合い、高くかざしてみよう
この日がすべてに平和をもたらすことを願って
私たちは並んで一緒に歩いていくことができる、ずっと
私たちの夢を追いかけて
「私たちはひとつになる」それを願いながら

 
I can’t believe the end has come
with friendships just begun,
where nations joined to be a better world;
so let’s reach up to the stars
together we’ll give hope and joy
to all the world.
 
私は終わりが来たなんて信じない
友情は今始まったばかり
国を越えて手を取りあい、よりよい世界を目指そう
さぁ、星に向かって手を伸ばしてみよう
一緒に。すべての世界へ希望と喜びをもたらそう

 
So let’s all raise our hands together,
So let’s all raise our hands together,
and hope that this day brings peace to all.
We can walk side by side forever
to follow our dreams
and hope that this means
We’ll be one;
and hope that this means
We’ll be one.
 
さぁ、共に手を取り合い、高くかざしてみよう
さぁ、共に手を取り合い、高くかざしてみよう
そして、この日がすべてに平和をもたらすことを願おう
私たちは並んで一緒に歩いていくことができる。ずっと
私たちの夢を追いかけて
「私たちはひとつになる」それを願いながら
「私たちはひとつになる」それを願いながら

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巨大地震で、日本人が最後に生き残る構図が見えてきた!?

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 東日本巨大地震が発生して以降、毎日眠れない日々が続いている…。寝不足で頭はふらふら、なのに色んな考えが頭をぐるぐるしている。。そんな状況下で、ふと、あるひとつの“希望の光”が見えてきました!

 それは、核戦争などが勃発して、世界に終焉が訪れたとしても、日本人は生き残るという構図。今回の地震や津波による直接的な被害もさることながら、原発が大変なことになってしまっている。核、放射能、人体への悪影響……神様はどうして唯一の被爆国である日本へ、またしてもかくのごとく試練を与えたたもうのか、、と悲観的になっていたのですが、それは、実はそうではなく、全く反対なのでは?と思えてきたのです。

 その訳は・・・・・・

 日本人が、放射性物質に強い種となること。広島、長崎と2ヶ所も原子爆弾を落とされ、爆心地だけでなく、その周囲の人々も(差はあるかもしれませんが)被曝しています。そして今、東日本でも。

 さらに、子供の頃より、レントゲン検査と称し、微量ながら毎年のように被曝し続けている日本人は、海外で一生のうち数える程度しかレントゲンによる放射線を浴びていない人より、絶対に強いはず。

 健康にただちに害を及ぼすほどではない程度の放射線をコンスタントに浴びることで、放射性物質に強い体になっている(なっていく)のではないかと思うのです。つまり、耐性の原理ですね。

 また、根拠の程はたしかではありませんが、海藻類は放射能汚染の予防になるという話も。もし本当に効果があるとすれば、やはり、子供の頃から海藻類を食べ続けている日本人は強いはず。

 完全に放射性物質に対抗できる体になるには、少し時間がかかるかもしれません。でもこうして代々浴び続けていけば、そのうち後世には強い子供が生まれてくるのではないかと……抗放射性物質人類の誕生です! かくして、日本人は核戦争が起きても、はたまた世界各地で核が手に負えない状態になったとしても、生き残る…(^^;

 なぜ、こんなことを思ったかというと、それには理由があります。

 英国の科学者ジェームス・ラブロック博士によると、ウランを多量に含む水が流れている湿地帯に棲息する生物は、ウラン元素を細胞壁に固定することで、ウランまみれの環境下でも生きていけるように進化したといいます。人間にだって、同じ原理が働くはず。いや、働かないと誰が断言できるでしょう? だって誰もやったことない(というか見届けたことはない)わけですから。

 今回の福島原発を見ていると、人類の手に負えないものを作ってしまっているのだと、つくづく実感します。そして、日本だけでなく、世界中にばら撒かれている核の数を思うと身の毛がよだち、こうなってくるとやはり、世界の終焉は核が握っているのでは?とも思えてくるのです。

 そんな時、いざという時のための今回の試練。そう思うと、今は大変だけれど、必ずや明るい未来がある!と、思えてくるのです。そういや、ノストラダムスの予言(だっけ?)でも、日本人が生き残るとかいうのがあったような…?(定かじゃないので、スルーしてください…(^^:)

 …と、朦朧とする頭で考えていた次第。かなり暴走しているかも?? ですが、『神は乗り越えられる試練しか与えない』とも言いますし(神って誰よ?って話ですが…)、たしかに人生において意味のない試練ってないんじゃないかと思うのです。

 だから、必ず乗り越えられる。今は後ろを振り返っている場合じゃない。今、そして、これからどうするか、前だけを見て行こう。これも、意味のあるひとつの試練なんだって思いながら、ただただ、一人でも一匹でも多くの命が助かって欲しいということと、被災地の一日も早い復興を祈るばかりです。。

【ご注意】あくまでも、朦朧とした頭の中によぎったことを自分の日記として、つらつらと書き留めただけの与太話。反論異論は受け付けておりません。気に入らない方はスルーしてください。

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ニュージーランド巨大地震、その予兆は数日前に…

クライストチャーチ地震の2日前にシドニーで見られた帯状の雲
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 本日、現地時間12時51分(日本時間9時51分)頃、ニュージーランド南島クライストチャーチでM6.3の巨大地震が発生! 市内中心部のビルや建物が崩壊、多くの怪我人のほか、現在(現地時間18:40)、65名の死亡が確認され、いまだ崩壊した建物のがれきの下敷きになっている人々らの救出作業が続いています。

 今回の地震で、昨年9月に同地を襲ったM7.0の地震にも耐えていた、街のシンボルでもある大聖堂の塔=ベルタワーも崩壊。地震発生時に、この塔の展望台に観光客がいるのが目撃されており、安否が気遣われています。震源地が中心地から約5km、深さ5km弱程度と浅く、また、前回の地震で既にダメージを受けていたと思われるビルが予想よりも多かったことから、被害が大きくなってしまったのではとも言われていますが、とにかく犠牲者がこれ以上増えないことを祈るばかり…。

 短期間のうちに巨大地震が相次ぐニュージーランド南島ですが、現場に居合わせた地元の人の話では、昨年9月の地震の時は、先にゴゴゴーっという地鳴りのような音がしてグラグラっと来たらしいのですが、今回はいきなりドカーンと来たとのこと。一瞬にして巨大な地震が街を襲ったことがうかがえます。

 しかし、この地震には、2~3日前から“予兆/前兆”とも思えるいくつかの事象がありました。

 19日の夕方、シドニーでも南東の方角から長く延びる雲が確認でき、いつもより夕焼けが赤く見えました。そして20日には、さらにはっきりと南東の方角から西へ長く延びる雲と驚異的なまでに真っ赤に染まった夕焼けを確認。20日の夕焼けは、この地に50年以上暮らしている隣のおばあちゃんでも「いままで見たことない!」と絶賛したほど、空全体が美しく焼けていました。

クライストチャーチ地震の2日前にシドニーで見られた帯状の雲クライストチャーチ地震の2日前(2011年2月20日)にシドニーで見られた帯状の雲
(写真左側が南東=クライストチャーチ方面)

 そんな風にシドニーで美しい夕焼けが見られた20日、実はニュージーランド南島の南にぽっかりと浮かぶ小さな島にも異変が起こっていたようです……。

 ニュージランドの南にちょこんと浮かぶ小さなスチュワート島。島のほとんどが国立公園に指定されている自然豊かな島ですが、20日、この島の砂浜に107頭ものクジラが座礁していたのです!

※ちなみに、このクジラたちは、発見時すでに半数以上が息絶えており、48頭がかろうじて生きていたそうですが、海へ戻す術がなく、すべて射殺されたとのこと。。(涙) [21日付けの現地新聞記事:’No alternative’ to putting down whales]

 クジラやイルカなど、超低周波交信で方角などを認識している海洋性ほ乳類は、ちょっとした磁気や音波の異常によって方向感覚が狂ってしまうため、座礁してしまうと言われています。大きな地震が起きる前には、海底や大気中の磁気や音波、イオンやラドンの濃度などに乱れが生じるとも言われていますので、彼らはこの僅かな変化を敏感に感じ取っているということに。たとえ人間には何も感じなくても……。

 今になってみれば、3日前及び2日前にはハッキリと確認できたシドニーでの驚異的な夕焼けも、地震に関連する大気の変化によるものだったのではないか?と思えてきます。改めてもう一度、当日の写真を見てみると、何やら地震雲とも思えるような帯状の雲とウロコ雲が写っているのがわかります。

2011年2月19日のシドニー郊外の夕焼け
2011年2月20日のシドニー郊外の夕焼け ※左側が南東の方角(3枚目では海に突き出た半島の先)=ちょうどクライストチャーチ方面に当る

 こうした動物たちの奇妙な(?)行動や異常な自然現象などは、地震の前触れの宏観異常現象例として昔から言われていることばかり。日本でも、阪神淡路大震災の前日に、水族館のイルカショーのイルカたちが普段と違って係の言うこと全く聞かず、暴れまわって子供が泣き出してしまった…ということがあったり、また、やはり地震の数日前から、日本各地で異常な夕焼けや変わった形状の雲が発生していたという報告が何件もあったそうです。

 しかし、その科学的なメカニズムや根拠は、まだよくわかっていないとか。地震予知研究は進んでいるようで、実はそうでもない、、というか、そもそも人間が自然のことを完全に理解するのは難しい……というのが現状なのかもしれません。。

★クライストチャーチ地震への寄付(募金)は以下で行っています。
Salvation Army New Zealand -Earthquake Appeal (ニュージーランド救世軍 -地震募金)

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ケアンズ直撃か!? 猛烈パワーの破壊的サイクロンが接近中

猛烈なパワーを持つサイクロン・ヤッシーがケアンズに接近!
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 洪水で大きな被害が出たクイーンズランドに、今度は強大なサイクロン(台風)が接近中!

 現在の中心気圧960ヘクトパスカル、風速220km/h と猛烈…いや、破壊的パワーを保ったまま、さらに勢力を強め、オーストラリアに向かっています。しかも、観光地として人気のケアンズを直撃すると予測されており、観光や農産物への大きなダメージが懸念されています。

 クイーンズランド州は、洪水被害・復興の対策もままならぬうちに、サイクロン警戒対策本部を設置。昨日には、ハミルトン島をはじめとする周辺の島々へ、強制避難を呼びかけました。またケアンズ沖のグリーン島等も、本日正午までには避難するようにとの通達が出され、当然のことながら、グレートバリアリーフへのクルーズツアー等は催行中止となっています。

 今回のサイクロンの名称はYasi(ヤッシーor ヤジー)。現在はカテゴリー3ですが、オーストラリアに近づくにつれて勢力を強め、今夜にはカテゴリー4へ。現在の進路をそのままいくと、中心の上陸地点は(かなりピンポイントで)ケアンズ。上陸時間は明日の夜10:00頃から木曜日未明にかけて。2006年にイニスフェイルに上陸し、大きな被害をもたらしたサイクロン・ラリーと同等、もしくはそれ以上の被害が出ると予測されています。

 なんでも、ラリーよりもサイクロンの大きさがハンパじゃなく大きく、勢力をどんどん強めながら発達しており、地元メディアは『モンスター』と呼び始めたほど! そのため、被災エリアが広範囲に及ぶとの見方が強まっています。一昨夜、タウンズビル近くの町ボーウェンに上陸したサイクロン(カテゴリー2)の影響が残っていること、前回の洪水被災地への影響も懸念されています。

 オーストラリアのニュース総合サイトは、サイクロン・ヤッシーについて「Huge and Lethal: Get Out Now(巨大で致命的:今すぐ逃げろ)」との見出しで書きたて、また、ケアンズの情報サイトでは、「Monster Tropical Cyclone Yasi a very, very serious threat(怪物熱帯サイクロン・ヤッシー、非常に(veryを2回繰り返して強調)深刻な脅威」との見出しで、住民へ警戒を呼びかけています。

 こうした国内メディアの反応は、今回のサイクロンの凄まじさを物語っているといえそうです。大丈夫か、、、ケアンズ。。。

 国内線フライトを運行している航空会社では、対象エリアへのフライトに対し返金・再アレンジなどを無料で行っていますので、該当者はすぐに連絡を。対象フライトは、本日から日曜日までの以下の空港への到着便 5路線。詳細は各航空会社サイトでご確認ください。ちなみに現時点(2/1 ケアンズ時間11:20)では、ケアンズ空港は平常通りとのこと。

  • ケアンズ
  • ハミルトン島
  • マッカイ
  • タウンズビル
  • ウィットサンデーコースト

【情報収集に役立つリンク】
オーストラリア気象庁サイクロン情報
ケアンズ・カウンシル(ケアンズの自治体)
ケアンズのニュースサイトCairns.com.au(地元紙ケアンズポスト)
ケアンズ空港
カンタス航空(オーストラリア国内サイト)
ジェットスター航空(オーストラリア国内サイト)
ヴァージンブルー航空

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