福島原発事故は未知の領域、被爆の危険性に関する知識も不十分

福島原発第3号機の爆発とよく似た核実験の爆発瞬間画像
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 米の原子力専門家アーニー・ガンダーセン氏が4/26に公開されたビデオで示した「3/14に起きた福島第一原発3号機の爆発が“爆轟(ばくごう)”であったこと」が、ようやく今日(6/6)になって日本の新聞でも報道された。(該当記事

 この記事によれば、財団法人エネルギー総合工学研究所の解析によって、この事実が分かり「1号機より破壊力が高い爆発が発生した」とは認めているが、「発生した水素の量の違いで」とし、あくまでも“水素爆発”として片付けたいらしい。

 しかし、先のガンダーセン博士も、英の科学者(電離放射線の権威)クリス・バズビー氏も、「福島第3号機の爆発は、一種の“核爆発”」と見ている。バズビー博士は4/12のテレビ出演で、すでにこのことについて指摘している。(該当ビデオ,参考記事)なぜそのように考えるか?について、「水素爆発では起こりえない閃光を伴う爆発=detonation(爆轟)が見られた点」をあげている。

 また、この爆発は格納容器の爆発ではなく、使用済み核燃料プールが空になり、即発臨界したためと見るのが妥当だ説明している。このことについては、このブログでも4/30の記事で解説しているので、そちらを参照のこと。(このページの画像は、バズビー博士の主張を再現したもので、福島第3号機とよく似た核実験の爆発の様子をとらえたビデオからの切抜き。元動画はこちら

独立系学者と御用学者の温度差

 私がガンダーセン博士らの見解が信用に足るとする最たる理由は、Independent(独立系)だから。これは、彼らが展開する理論はもちろん、その見解が正しいと支持するほうへ大きく傾く要因のひとつになる。学問、科学の研究にはお金がかかる。すると、どうしても資金提供者への見返りが要求されることになる。そうして癒着、都合の悪いことは言わない。公表しないという構図が出来上がる。これはしがない資本主義の悪の部分だ。

 その点、Independentの学者は、そうしたしがらみに囚われず、自由な発想、研究ができる上、発言の制約もない。つまり、この場合、原子力の悪い部分や公表されると困る部分に関して、何のためらいもない。本来、学問とはそうあるべきなのだが…。

★ガンダーセン博士は、つい最近(6/3)にも以下のような興味深いコメントを残している。Twitterのほうでもツイートしたけれど、こちらにも記載しておきます。このコメントのソース元や今後の速報などはTwitterで拾ってください。

  • 「福島の危険は我々の予想を超え長期に渡る。それは今の科学では足を踏み入れたことのない…核燃料が地面に横たわった状態で剥出しのまま過熱されている状態」
  • チェルノブイリよりも悪いという側に私はこれからも立つ。風が東京方面、南に向かって吹くことを懸念するのと同時に、もし余震等で4号機が崩壊するような事態となるなら、友人への私のアドバイスは“逃げろ”だ」
  • 「NRC(米原子力規制委員会)は、3号機の新たな問題に昨日初めて言及したが、底がブレイクアウト(崩落)し、汚染物質のすべてがぶちまけられることを懸念している。コア全体が突然落下する可能性もある」

度々修正される信用しかねるデータとチェルノブイリの教訓

 核のエネルギー量は、広島原爆の40~50倍といわれる福島第一原発(存在していたウラン量は、広島原爆の約300倍とも。さらに使用済核燃料の分を入れるとその量は膨大)(参考記事)。もし、本当に核爆発だとしたら、いや、仮にそうでないとしても、すでに3機がフルメルトダウン(全炉心溶融)しており、さらにもう1機もトラブル発生中で危険な状態なのだから、放出されている放射線物質の量は相当量あると見て間違いなさそうだ。それは、後になって上方修正されてばかりの数々のデータが裏付けている。(参考記事)…ちなみに、こうした発表はこれまでも何度となく修正されており、この数字すら信用できるものかどうかは不明。としか言いようがない…。

 また、矢ヶ崎琉球大名誉教授によれば、こうした状態で原発の上空100メートルから毎秒4メートルの風が吹いたとすると、1,500キロ以上に渡って放射物質が飛散するという。(該当記事)つまり、「日本中が汚染されたとみた方がいい」と、同教授は指摘している。

 チェルノブイリでは、(稼動中の爆発炎上という状況の差はあるけれど)2,300km以上離れたイギリスのウェールズ地方あたりまで飛散したそうだ。原発のあった現ウクライナ及び周囲の旧ソ連下の国以外で最も汚染された地域は、原発から1,600km以上離れたフランス、イタリア、スイス国境を挟んだアルプス地方だった。(参考記事)どちらも、農産物の出荷については慎重に検査を行ったそうだ。こうした事情からも、欧米の国々が福島の事故に重大な関心を寄せ、正確な情報収集に躍起になるのは当然といえる。

 そして、この事実から今、日本が学ばなければならないことは、「自分が現在住んでいるところは、福島県ではないから大丈夫」ということは決してない、ということ。まさに目の前に福島第一原発を抱える福島県は当然のこと、日本全土が危険にさらされていると認識したほうがいいということになる。

 放射線が怖いのは、それ自体が目には見えない、臭わないことだ。そして、すぐに障害が出るわけではないということも念頭に置かなければならない。チェルノブイリ事故における作業員の死亡者は28人だが、すぐに死亡した人だけではない。被曝から4ヶ月の間に、大量被曝による急性放射線障害で徐々に死亡しているのである。

 そして、周辺住民に症状が現れ始めたのは、事故後、5年後くらいから。地元の小児甲状腺癌発生率が事故前に比べ、10倍になったという。そして、今でも様々な放射線障害に苦しんでいる状況なのだ。

いまだよくわからない低線量被曝の危険性、健康への影響

 今回の事故の恐ろしさは上でも触れたように、原発作業員のようにすぐそばで大量被曝をする危険がなくとも、また、汚染が最も深刻な福島県下に住んでいるわけでなくとも、今も放射線物質がダダ漏れ状態の現状では、日本のどこにいても長期的な低線量被曝の危険があるということ。この低線量被曝の危険性、つまり長期的に低い線量の被曝をした際に受ける健康被害については、研究が進んだ現代においてもまだ、ほとんどわかっていないのだそうだ。(参考記事

 空気中に飛散する放射性物質だけでなく、降下して地面に付着したものも考えれば、農産物も危険だ。土壌に積もった放射性物質はやがて雨等によって地中に染み込み、農産物を含めた植物が取り込む。その植物を食べる動物、家畜等も放射性物質を取り込み、内部被曝することになる。また、大量に放出した汚染水のおかげで、地下水の汚染もおびただしい。汚染地下水は地中深くの水脈に入り込み、日本中の様々なところへ染み出してくる。このような状況では、日本で収穫、産出される食品のほとんどが汚染されていると考えるべきだ。

 マサチューセッツ工科大学環境健康安全室放射能防御プログラムのウィリアム・マッカトニー 副主任は、食べたからといってすぐに健康に被害がでるわけではないとしながらも「慎重を期するなら、その食品を食べない こと」と指南する。また、ノースカロライナ大学の疫学者スティーヴ・ウィング博士 は、微量であっても放射性物質が残留していることで、長期的重大な問題を引き起こすおそれがあると指摘。「原発から遠くなれば、1人当たり の被曝量は少なくて済むかもしれないが、被爆する人は多くなる」と言う。(参考記事

 とにかく、いまでもまだ、どの程度の期間、どれくらいの放射線を浴びたら、どうなるのか?ということが、よくわかっていない放射線被曝。わかっているのは、程度のほどは不明でも、健康に害を及ぼす有毒なものであることには間違いないという事実。このことを念頭に置き、甚大な被害を避けるために、可能な限り原発から遠くへ避難する。食品もできる限り遠くで収穫されたものを食べる。外出はできる限り避け、する場合には肌を露出しない、できればマスクを着用するなど、できうることはすべてやる。というのが、今出せる唯一の答えなのかもしれない。

※ちなみに、3月の事故以降「原発で核爆発はない」としていた京都大の小出裕章先生も、一度は「3号機は核爆発ではないか」という見解を示している。これは、5月に入って出てきた高崎CTBT放射性核種探知観測所のデータ(参考)を見て、「ヨウ素135が高い数値で検出されていることから、ウランの核分裂反応が異常に進んだという可能性」つまり、核爆発であった可能性を示唆したものだが(参考記事1記事2)、後に高崎のデータが修正(参照)された…という経緯がある。

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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ポッサムとオウムとワライカワセミ、3種の野生動物をレスキュー

ぐったりとして動かないポッサム
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 先週の月曜日は忙しい一日でした。仕事が忙しいのならまだしも、野生動物のレスキューに振り回されて、忙しかっただけなのですが…。

 まず最初に受けたレスキュー依頼は、『ポッサム』。近所の家で、かなり重症と思われるポッサムが倒れているので、救助してきて欲しいというものでした。ポッサムはこのブログでも何度か書いていますが、猫くらいの大きさの有袋類。我が家にも毎夜やってくるので、付き合い方は慣れたものです。ですが、かなり重症のようで、動くことができないとのこと。これは絶対に助けたい!

 急いでレスキューバスケットやタオルなどを用意して現場へ。場所は、我が家から車でほんの2分ほどのご近所でした。発見者の女性に案内されて、家の中を通り、ポッサムがいるというデッキへ行くと、誰でもが簡単に手の届くあたりに、ポッサムが横たわっていました。

 大きさからして、成獣のよう。ぐったりと顔を下に付けたまま、「死んでいるのかも?」と思うほど、まったく動きません。ですが、よく見ると、まだ呼吸しています。発見者の女性がかけてあげたというタオルが、体半分に掛けられており、近くには水と小さな器にキャットフードが入れてありました。

 彼女によれば、「右目のところを怪我しているようで、かなり酷いことになっている。でもここへ来て、これ(キャットフード)を食べていたの」とのこと。たしかにキャットフードは減っているし、彼女に「たくさん食べたのかな?」と聞くと、「たぶん昨夜か今朝も食べていたと思う」というので、これは、まだ助かるかもしれない!と、急いで抱き上げ、バスケットに入れました。

 そして、発見者の女性に通報のお礼を言い、急いで近くの動物病院へ!それにしても、ぐったりとほとんど動かないのが気になります。病院に着くと、バスケットごと先生に渡し、そのまま診療、入院となりました。

 そして自宅に戻る途中、再びレスキュー依頼の電話が…。正直、今日はもう勘弁して、、と思ったのですが、一応、依頼内容を聞くことに。すると、レスキューというよりは、すでに動物病院に預けられている『コッカトゥー(白いオウム)』を引取りに行って欲しいということでした。電話の途中で、別のもう一件もお願いしたいというので、話しを聞いてみると、「コッカトゥーを引取った後、別の病院で『クッカバラ(ワライカワセミ)』も引取ってきて欲しい」と…。

 ええい、こうなりゃ、一羽も二羽も一緒だ~!!

 まず向かったのは、コッカトゥーのいるマンリー近く。我が家からは車で20分ほどのところです。動物病院へ行くと、すぐに該当のコッカトゥーを連れてきてくれたのですが、スタッフの女の子は怖いのか、「タオルを持ってくるからやって」と、投げ出す始末。仕方なく、カゴからそっと取り出し、自分のバスケットへ。

 その後、鳥類コーディネーターに指示を仰ぐため電話すると、「そこの動物病院は鳥は得意じゃないから、保護された状況を聞いて、別のところでもう一度ちゃんと診てもらうようにして欲しい」とのこと。というわけで、相方が病院のスタッフに「どこで、どんな風に保護されて、ここへ来たのか?」を聞きに行く羽目になりました…。

片っ端から何でも噛みまくるコッカトゥー(白オウム)片っ端から何でも噛みまくるコッカトゥー(白オウム)

 病院スタッフの話では、「この近所に住む住人の庭で、飛ばずにずっと歩いているのを見つけ、おかしいと思い保護し、ここへ連れてきたらしい」というではありませんか。つまり、鳥なのに飛べないというのです!何か、どこかがおかしいに違いない。病気なのかも?というわけで、結局、再度別の動物病院へ搬送することになりました。

 搬送途中、カゴの中のコッカトゥーは、ずっとカゴのふちをガシガシ噛みっ放し…、ときおり、動物病院の誰かがくれたリンゴを齧ってみたりもするのですが、とにかく、どこでも噛みまくるのです。「噛んじゃダメ!」と叱ると、一瞬こちらをジっと見て止めるのですが、またそのうち、カミカミカミカミ、ガシガシガシガシと始まる。コッカトゥーは本当にタチが悪い!コッカトゥーのくちばしの強さはハンパじゃなく、硬い配管パイプにも穴を開けられるほどなのです。

 指定された別の動物病院へ行くと、そこは確かに鳥の患者が多いようで、待合室には2羽のセキセイインコが診察を待っていました。コッカトゥーを先生に預け、ホッとしたのも束の間、次はクッカバラの待つ、また別の動物病院へ。話は伝わっているようで、すぐにわかったのですが、なかなか当のクッカバラを連れてきてくれません。

 しばらくすると、「クッカバラ、今朝までは元気だったのだけど、急に容態が変化して…。もしかして、内臓にダメージがあるのかもしれない。あまり良くないから、あと数日診たい」とのこと。結局連れ帰ることなく、引き続き入院治療することになりました。

 気がつけば、日はすっかり暮れ、もうすぐ夜。とにかく願うのは、この日関わった子たちが皆、元気で無事に野生に帰れるように、ということだけです。それにしても、ほぼ一日中、動物たちのために奔走してしまった…あー、疲れた!

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再生可能エネルギー:注目されるオーストラリアの太陽+火力ハイブリッド発電システム

世界一の太陽発電搭載発電所を目指すコーガンクリーク発電所
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 原子力発電で必要とされる燃料ウランは、オーストラリアが世界の70%の埋蔵量を誇ります。輸出シェアはカナダのほうが上だそうですが、それでもトップクラスの輸出国には違いありません。ですが、オーストラリアには原発はありません。国内の反対はもとより、それ以外の資源も豊富にあり、中でも火力発電燃料として最も効率のよい石炭の埋蔵量も豊富です。

 そのため現在は火力発電が中心ではありますが、地域毎に様々な燃料を使った発電方法が試みられています。オーストラリアは固有の生態系を守るために、行政側でも厳しい規制を設けており、また、国民意識も高いため、環境破壊に繋がることは極力避ける方向で動いています。[注1]

世界最大級の太陽光発電所を建設中のオーストラリア

ビクトリア州に世界最大級の太陽光発電所を建設中のソーラーシステム社  オーストラリアは、すでに各所で太陽光発電を実施しており、現在、太陽光発電所は着工済み未稼働のものを含めると44ヶ所(参照)。2009年に着工し、ビクトリア州北東部で建設が進められている、154メガワットの発電ができる世界最大級の太陽光発電所は、2015年の完成、2016年からの供給開始を目指しています(参照)。

 また2009年には、これまでも何度か構想に上がっていた1,000メガワットの発電が可能な、文字通り、世界最大の太陽光発電所=メガ・ソーラーパワー・ステーション(参考記事)のような発電所を14億豪ドル=現在のレートで約1,260億円を掛けて建設する構想を発表しました(参考記事)。

得意分野を統合した太陽+火力のハイブリッド発電システム

 オーストラリア、とりわけクイーンズランド州は『サンシャイン・ステート=太陽降り注ぐ州』と呼ばれるほど、年間晴天率が高く、太陽光発電に最適な環境があります。太陽光発電=ソーラーパネルによって電力を生み出すというのが一般的な発想ですが、これは実は非常に効率が悪く、上で紹介したビクトリア州に建設中の世界最大級の太陽光発電所でも、現在オーストラリアで稼動中の大型火力発電所1基分の電力しか作れません。

 太陽光では、1,000メガワット=100万キロワットの発電に必要なソーラーパネルを設置するのに、必要な敷地面積は67平方キロメートルだそうですから、東京ドーム約1,443個分に相当。土地は広大なオーストラリアですが、これではいかんせん効率が悪い…。また、稼動中の火力発電所を利用しながら、何とかできないだろうか?ということから考えられたのが、ここでご紹介する新発想の発電システムです。

 オーストラリアの重要な資源であり、世界最大の輸出量を誇る石炭。豪政府は、サンサンと降り注ぐ太陽と豊富に埋蔵されている石炭、この2つの得意分野を組み合わせたハイブリッドな発電所を今年4月に着工しました。

コーガンクリークに建設中のソーラーフィールド この取り組みは、石炭の町として知られるクイーンズランド州のコーガン・クリークに建設中の『ソーラー・ブースト・プロジェクト』と呼ばれるもので、これまでのソーラー発電の発想とは、全く異なるものです。現在稼動中の火力発電所にソーラーシステムを付加することで、両方の利点を利用する。

 簡単に言ってしまえば、巨大な太陽熱温水器+火力ボイラーによる発電所…といった感じでしょうか。太陽熱温水器は日本での利用者も多いのでご存知かと思いますが、太陽熱で水を温め、ある程度の湯温にするのは比較的容易です。この仕組みを利用し、ある程度まで温まったお湯から、さらに多くの水蒸気を発生させるために、足りない部分を火力によって補うという発想です。

 具体的には、フランス・アレバ子会社の小型線状フレネル反射器(Compact Linear Fresnel Reflector)を使った、既存発電所における蒸気発生をより高める過熱太陽蒸気技術(Superheated Solar Steam Technology)で、発電と燃料の効率アップを目的としています(参考記事)。

 コーガン・クリークのソーラー・ブースト・プロジェクトの仕組みは、ざっと以下のような感じです。

<コーガン・クリーク太陽熱発電の仕組み> ※番号は図に合わせたものではありません。
コーガン・クリークの太陽光+火力のハイブリッド発電プロジェクト

  1. 現在稼動中の火力発電所の横に、ソーラーフィールド=太陽熱システムを設置。
  2. 空冷で得た水をパイプを通じて、太陽熱システムへ分配する。
  3. 太陽エネルギーで温められた水から蒸気が発生。
  4. 蒸気をさらに加熱し、電気を生成するための中間圧力タービンへ。
  5. 火力発電所で太陽熱でできた温水をさらに加熱し、蒸気をより多く発生させてタービンへ。
  6. 蒸気でタービンを回し、発電プロセスへ。
  7. 発電後は、蒸気を空気冷却凝縮器に送って再び液化(水に)し、再利用する。

 注目すべきは、ソーラーパワー(太陽熱の力)を最大限利用する点と、使った蒸気を再び水に戻して再利用する点。これにより、より少ない燃料で済み、何より石炭を燃やす量がグっと減るため、CO2削減も可能です。発表によれば、この仕組みで年間35,000トンのCO2が削減できると言われています。

 また、このシステムであれば、従来の発電所に併設することで、着工から2年程度で設置可能。コーガン・クリークの場合は、2013年の完成を目指し、この太陽熱システムによって最大44メガワット(太陽熱ピーク時)の発電が見込まれています。完成すれば、世界最大のソーラーテクノロジー統合火力発電所になる予定だそうです。

孫氏が提唱する太陽光発電プロジェクトに意義あり!

 ソフトバンクの孫正義社長が提唱する太陽光発電プロジェクトは、休耕田や耕作放棄地を利用して、太陽光発電装置を設置するというものだそうですが(…これにより、孫氏は「50ギガワット、つまり原発50基分の発電ができる」と発言(参考記事)…)、個人的には、その休耕田や耕作放棄地は、本来の目的通り、農業に使うべきと考えます。

 東京電力の公式発表さえ『原発1~3号機がメルトダウン』していることを認めた現状では、福島をはじめ、近隣県の汚染も著しく、とても農作物を育てる環境では無くなっています。ですから、西日本で余っている田畑は、すべて本来の目的で再利用すべし。ただでさえ、食料自給率が低いとされている日本なのですから、足りない人手は福島など原発被災地の農家の皆さんに移住してもらうなどして、余すところなく、農作物を作るべきです。

 また、(現時点での)太陽光発電の効率の悪さは上にも記しましたが、具体的に日本に置き換えれば、現在の原発の発電能力をすべて太陽光に置き換えた場合、3,272平方キロメートルの敷地=東京都(2,187平方キロメートル)+大阪府(1,896平方キロメートル)の半分以上が必要になる計算だそうです(参考記事)。

 広大な土地を有し、晴天率も高く、太陽が容赦なく降り注ぐオーストラリアでさえ、ある意味、二の足を踏むほど効率の悪い太陽光発電。太陽光発電所の最大出力は、太陽の力を100%利用できた時のみ、あくまでも太陽光のピーク時の数字であることを認識する必要があります。

 ですから、ただでさえ国土が狭く、おまけに(いくら現在使ってないとはいえ)田畑を使う案では、食料自給率も低いとされる日本には適さないと思う次第。日本で太陽の力を利用するなら、現在の発電所を生かすコーガン・クリークのプロジェクトのような、ハイブリッド・システムが最もふさわしいと思うのです。

【参考資料】

[注1]とはいえ、現在のオーストラリアは、ウランや石炭採掘及び輸出をはじめ、火力発電がメインになっていることで、「環境に優しくない」と言われることがあります。WWFオーストリアによれば、オーストラリア国民一人当たりの温室効果ガス排出量は世界でも大きく、エコロジカル・フットプリント ecological footprint 数値の比較では調査対象国147カ国中6位と発表されました。ですが、私自身は(環境保護推進派でありますが)エコロジカルフットプリント、カーボンオフセットのようなものは、あくまでも机上の話と思っていますので、あしからず。

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原発被災地の子供たちに、通学不要なネット授業を!

ノーザンテリトリー・アリススプリングスの通信学校 School of the Air (画像:Wiki)
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 福島第一原発事故による放射能汚染が広がりを見せ、福島県だけでなく、周辺各県への被害が拡大しています。関東圏の農産物や遠くは静岡県のお茶などにまで、規制値を超える放射線物質が検出され、地元のものですら不用意に口にできない事態となりつつあります。

 今回の原発事故は間違いなくチェルノブイリ原発事故を超えており、個人的には、アメリカが日本在住の自国民を退避させる目安として出した「80キロ圏外への退避」が望ましいと思います。ですが、住まいや仕事など、様々な事情から、簡単には移住=疎開できないという家庭も少なくないでしょう。

 ですが、大人はまだしも子供への放射線被曝は、計り知れないリスクを伴います。放射線による被曝の危険度は、高年齢になればなるほど低くなり、成長期である赤ちゃんや子供が最も高いのです。それなのに、福島の原発から80キロ圏内の子供たちは、今この汚染がどんどん進む中でも学校へ通学し、授業を受けることを余儀なくされています。

 その上、政府は元々年間1ミリシーベルトとしていた子供への放射線被曝量を20ミリシーベルトまで引き上げ(参考記事 記事2)、さらには、子供たちが通う学校の校庭で高い放射線量が測定されても、「校庭の土の上と下を入れ替えれば、放射線量は大幅減できる」などと、気休めのような対策を打つのみ(参考記事)。

 さらには、「福島産の牛乳や食材は危険だという風評を払拭するため」と称し、学校給食に県内産物を使うことを提唱する大人まで出てくる始末…(参考記事)。これでは、子供たちは外部被曝のみならず、体内摂取による内部被曝まで促進させられ、ますます癌や白血病をはじめとする放射線障害(参考記事)が起こる確率を高めることに繋がります。

 放射線による体への不調は、すぐに出るものではありません。5年後、10年後…後から影のように忍び寄ってくるのですから、できる限り被曝を避けなければならないはずなのに……。

放射線被曝をできる限り避けるためのネット授業

 今回の原発事故のように、目に見えない放射線被曝という恐怖にさらされながら、閉め切りの校舎で授業を受けさせるのも酷ですし、そんなことをしても100%防げるわけではありません。何より、登下校時の被曝も心配です。本来であれば、80キロ圏外への退避=疎開が最も望ましいのですが、それが不可能な家庭の子供たちのために、義務教育である小中学校のインターネット経由による通信学習ができればと考えます。

 これは、当地オーストラリアでは比較的ポピュラーなスタイルのリモート学校『 SCHOOL OF THE AIR スクール・オブ・ジ・エア 』をモデルにしてはどうか?と思っています。

 広大な国土を有し、一部の都市部を除けば、ほとんど人間が住んでいないアウトバックと呼ばれる僻地が広がるオーストラリア。それでも、そんなところにも点々とファーマー(農家、アウトバック地帯では主に牛飼い農家)が住んでいます。隣の家まで100キロ以上、隣の村までは300キロ以上という家も少なくありません。

 こんなところの子供たちは、学校へ通おうにも遠すぎて、通学は不可能。ですから、通信学習で単位を取得し、通学生同様の学歴を取得するのです。

※オーストラリアのアウトバックについては、こちらこちらにも記事を書いていますので、ご参考に。

SCHOOL OF THE AIR スクール・オブ・ジ・エアの成り立ちと仕組み

 SCHOOL OF THE AIRは、上記のような過疎地の子供たちへ学習の機会を与えたいという思いから、1948年にアリススプリングスという一部のエリアで航空無線を使って始められ、その後、このケースをモデルに1956年から本格的に始まりました。そして、1960年代後半には、ほぼオーストラリア全土のアウトバック地帯へと拡大し、今日でも続けられています。

<SCHOOL OF THE AIRの仕組み>

  1. 地域のメインとなる町にスタジオを置き、先生はこのスタジオからカメラに向かって授業を開始。
  2. 生徒は各自宅で授業開始の準備。インターネットが利用できるところでは、PCを立ち上げて、先生から呼びかけられるのを待つ。
  3. 先生は生徒の誰が授業に参加しているか確認。(点呼のようなもの)
  4. 先生がスタジオで授業する様子をインターネット経由で配信。
  5. 先生は質問なども適宜投げかけ、生徒との交流を図る。
  6. 年に数回、子供たち同士が本当に生で顔をあわせる機会を作る。

 オーストラリアではまだインターネットのインフラが不十分なエリアがあるため、今でも無線やラジオで行われているところもあります。ですが、日本のようにインターネットのインフラが整っている国では、映像の送受信もできるネット授業が最も適した手段と考えます。この場合、必要となるのは、インターネットができる環境と授業をインターネット配信するスタジオ、そして各生徒が受信するPCのみ。

故郷との繋がりを絶たない「ふるさと補習校」

 また、このネット授業に加え、故郷とのつながりを断たない「ふるさと補習校」も合わせて行うのが理想です。これは、@assam_yamanakaさんとのTwitter上でのやりとりの中で出てきた案ですが、海外の日本人子女は、現地校に通いながら故郷=日本(日本語)を忘れないために、週末などに日本人学校=日本語補修校へ通わせる家庭が多くなっています。この補修校の発想を国内の「ふるさと」へ繋げるというものです。

 地元に留まる子供たちには、普段は自宅でネットを駆使した通信教育で学んでもらい、年に数回は疎開した子供たちも含め、放射能汚染が少ない安全な場所で定期的に「ふるさと補習校」を開催する。昔やっていた林間学校のようなものを想像してもらえば、わかりやすいと思います。この数日間は、これまで同じ学校に通っていた親しい友人達と再会できる懐かしい時間となり、とくに普段自宅学習の子供たちにとっては、思いっきり外で遊べる機会になるような、楽しいプログラムを教師の皆さんに考えてもらえればと思います。

 危険を冒しながら学校に通わせることを止め、各自宅で衛星通信(現在は衛星インターネットが主)による学習ができる、このSCHOOL OF THE AIRのような仕組みを日本でも確立させ、少しでも安心して学習できる機会を子供たちに作ってあげることが、私たち大人の役目ではないでしょうか?

【参考資料】

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福島第一原発から80キロ圏を退避区域とする然るべき理由

福島第一原発20km圏はこんな格好しないといけない地区になってしまった!
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 福島第一原発の事故は、人類史上最悪の原子力事故となりつつある。

 日本政府及び東電は揃って、「炉心溶融=メルトダウンはない」としてきたが、この期に及んで「第一号機については、実は3月11日にはしていた」と言う。さらに、2、3号機についてもその可能性を否定できないと発表。この日が5月14日であるから、国民は知らず知らずのうちに危険にさらされながら、この重大な事態について把握するのに2ヶ月以上もかかっていたことになる。

 ところが、実は政府と東電は、この最悪の事態、つまりメルトダウンの可能性を震災発生直後には把握していたのではないか、ということがここ数日新たにわかってきた。

 というのも、震災発生翌日の12日に行われた菅首相の第一原発を視察に際し、原子力安全委員会の班目委員長は、「1号機の格納容器が爆発する可能性」を伝えていたということが判明(該当記事)。また、昨日(5/15)放送されたNHK教育のETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~」によれば、文部科学省は、震災後早い時期から第一原発から北西に30km圏外の特定地点の放射線量を計測し、その数値を官邸及び関係各省庁に上げていたことがわかっている。この文科省が計測していたエリアは現在、放射線量が最も多いとされる地区だ。

 こうしたことから見えてくるのは、政府と東電は、最悪の事態になる(いや、その時点で既になっている)ことがわかっていたのではないかという事実。そしてわかっていながら、住民ら=国民には何も伝えず、さらには、原発事故直後に自国民に対して80キロ圏退避を命じたアメリカなどに対し、「大袈裟に騒いでもらっては困る。風評被害を招く」と一蹴したということになる。

 アメリカが自国民に対して80キロ圏退避勧告を行ったことで、日本国内からは「逃げるのか」「こういう時に真の友人かどうかわかる」「風評被害を招くから撤回せよ」という声が次々と上がり、概ね日本では、「アメリカは騒ぎすぎなんじゃね。そもそも日本で起こってることを彼らが的確にわかるはずもない。なんでも大袈裟だから、相手にすることはない」と嘲笑う声が多かったように思う。

 果たして、この『80キロ圏退避』が現実的なものであったか否か、ということは、今となっては明白。かく言うオーストラリアもすぐにアメリカに追従した国のひとつだが、彼らにはこの80キロ圏を退避区域とする然るべき理由があるからだ。

 アメリカでは、NRC(米国原子力規制委員会)が事故の現状を把握し、米国内で規定された指針に基づき防護措置勧告を行う。規定によれば、全身に対して10ミリシーベルト、もしくは甲状腺に対して50ミリシーベルトを上回る放射線量が予想される場合、勧告が行われる、ということになっているそうだ。そして今回の福島の場合は、3月14日に3号機が爆発したことを受けて、検出された数値を計算した結果に基づき、17日には「50マイル(80キロ)圏外への退避」を命じたということになる(該当記事1 記事2)。これは、NRCのヤツコ委員長が、これまでに爆発を起こしていた1号機および3号機の問題だけでなく、4号機も使用済み核燃料プールの水の大部分が無くなっているとの見解を示し、事態悪化を懸念したためだ(該当記事)。

 ちなみに、日本政府はこの時点でもまだ20キロ圏しか指示していない。(現在でも30キロ)

 しかし、それならば、なぜアメリカはその後、日本政府の抗議を受けて、「日本政府の指示する20km圏で十分である」と訂正したのか?(該当記事)という疑問が沸く。しかし、アメリカもまた日本政府の情報操作によって、翻弄されたと言わざるを得ない。

 NRCの規定によると、原発1機の事故について概ね20キロ退避(これに天候、風向き、風速、そして原子炉の問題状況など、さまざまな要素を考慮)とするらしいが、当初80キロとしたのは福島第一原発の1~4号機すべてが事故を起こした場合を想定したからだ。しかしながら、この時点で日本政府からは「一~二機のみの事故であり、放射線量も問題のないレベル」という調査報告書が上がっており、「ならば大丈夫だろう」ということになったらしい。

 ところが、蓋を開けてみればアメリカが予測した通り、1~4号機すべてが事故を起こして、それぞれ爆発、(日本政府の発表によれば)燃料棒損傷、さらにはメルトダウンと最悪の事態になっていたわけだ。

 それにしても、どういう理由かわからないが、日本では「炉心損傷」「燃料の溶融」「メルトダウン(全炉心溶融)」の3段階で定義しているというが、そもそも炉心溶融=メルトダウンは「炉心損傷」によって起こり、「燃料の溶融」は一部であろうとも、英語ではパーシャル(コア)メルト=partial (core) meltと呼び、放射性物質漏出の有無に関わらず、一部でも炉心が溶融した状態を(コア)メルトダウン=(core) meltdownとしているはず。なのに日本政府は「燃料棒損傷」と言い続け、ようやく4月18日になって「福島1~3号機で「溶融」認める」という記事が出(該当記事)、5月13日になって初めて「メルトダウン」という言葉が出てくるのだ(該当記事)。「燃料棒損傷」「燃料の溶融」「メルトダウン」がどういう状態なのか、的確な説明もないままに。さらには、メルトダウンでも「周辺住民への影響はない」と言い続ける始末…。

 そして、さらに最悪な道を日本は歩むことになる。

 日本は事故処理対策として、なぜかチェルノブイリ原発事故で行われた『石棺』ではなく、原子炉を水で満たして冷却するという『水棺』を行う。これにより、チェルノブイリが事故発生から10日で収束させたのに対し、日本は2ヶ月以上かかっても未だに収束できず、現在も進行中という決定的な違いが生じてしまう。

 また、原子力の専門家によれば、そもそも水で核燃料を冷却するには、最低3年間冷やし続けなければならないという。そうした点から見ても、『水棺』という方法には無理があり、その上、実際には、爆発等のダメージによって圧力容器および格納容器に穴が開いており、どんなに水を注入してもしたから漏れるだけだったのだ。2ヶ月以上もただ注水し続け、結局のところ収束どころか、事態は悪化の一途を辿っている。しかも、この作業に多くの人間を駆り出し、放射能汚染の危険にさらしながら…。

 こうして何万トンという水を入れ続けた結果、たっぷりと放射線物質が混入した水は止め処もなく下から漏れ出し、その汚染された水は海へと流出。さらには地下水へと混入し、そのうち時間と共に日本各地へと湧き出てくる…ということになる。現在検出されている放射能は、主に空気中に飛散したものが地上に降り注いだものかもしれないが、地下水汚染となったら、その土壌で育つ農作物はすべて放射線物質を取り込むことになるのだ。そして、その汚染は何千年も続くことになる。校庭の土の上と下を入れ替えれば線量が下がる…とかいう、気休め的なことをやってる場合じゃない!

 それに、チェルノブイリがたった1機のみの事故だったのに対し、福島では4機が同時に事故っている。さらには、福島にはチェルノブイリの10倍もの核燃料があると言われ、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料も貯蔵されており、状況の悪さはハンパじゃないということだ。

 事態の深刻さは、5月8日原発20キロ圏内を視察した岡田幹事長の姿にすべて表れている(該当記事)。この様は、このような格好をしなければならいような場所になってしまった…ということを如実に物語っているではないか。

 上記のような理由から、私は欧米の出した『80キロ圏外への退避』を支持するものです。これは、遠いヨーロッパの国や太平洋のど真ん中で起こってることじゃない。今、あなたの足元すぐ近くで起こっていることなのです。疎開をためらっている場合じゃない。仕事が、とか、住むところが、とか、色々諸事情はわかりますが、それもこれも命あってこそ。本当に子供の未来を考えるなら、可能な限り80キロ圏外へ。そこまで不可能だというなら、せめて50キロ圏外へ出るのが賢明だと思います。該当地区(主に福島東部、茨城北部、宮城南部)の皆さん、是非ともこの現状を理解し、的確な判断と行動を!

原子力発電所からの距離測定ツール ・・・住所を入力すると原発からの距離を計算してくれます。
福島原発事故総まとめ ・・・各原子炉の現状やこれまでの経緯がまとめられています。

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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ペンギンをレスキュー!感触はボンレスハムみたい?

救助したペンギン。カゴに移してもほとんど動かない…
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 シドニーに戻ったばかりの翌日(昨日)、久しぶりに野生動物救助に向かいました。今回のミッションは、なんと『ペンギン』!

 電話を受けたとき、「え?なぬ??ペンギン????」と、頭の中が「?」だらけになったほど…(^^;  シドニー沿岸部にペンギンが棲息しているのは知っていたけれど、まさかレスキューすることになるとは、夢にも思っていませんでした。(まあ、野生動物には違いないので、ないとは限らないわけですが)

 場所は、家から車で5分ほどのビーチ。シドニー市内中心部からは直線距離で、約30kmほどの海岸です。この辺りでペンギンが一番多く棲息しているのは、日本人観光客にもお馴染みのマンリービーチですが、その以北へと続くノーザンビーチーズ沿岸部には、ペンギンのコロニー(営巣地)が点在しています。その1つが、近所のビーチなのです。

 電話での情報では、「ビーチでうずくまっているペンギンを見つけ、確保している人がいるので、引取りに行って欲しい」とのこと。すぐさま、ペンギン発見者と連絡を取り合い、急いでレスキューグッズを車に詰め込んでビーチへと向かいました。

 折りしも冷たい雨が降り出していましたが、幸いすぐに発見者と会うことができ、ペンギンのペンちゃんと対面。牛乳を運ぶボックスに彼らのタオルと共に入れられたペンちゃんは、うずくまっていてあまり動きません。体長は35cm程度と決して大きくはありませんが、オーストラリアに生息するペンギンは、世界で一番小さなペンギン(リトルペンギン=コガタペンギンまたはフェアリーペンギンとも言う)なので、この大きさからして成鳥のようです。

 とりあえず、地面にボックスを置き、持って行ったレスキューバスケットに移そうとしたところ、発見者の女性が、「すごく怒ってる(興奮している)ので、気をつけて。突付かれるかも?」と。どうやら、男性が捕まえようとした時に突付かれてしまったようです。

バスケットに移したペンギン。自分のバスケットに移したペンギンのペンちゃん

 「発見した時、側で犬がウロウロしていたので、やられちゃったのかもしれない。何でもないといいのだけど…」 心配そうに見つめる発見者のカップル。雨足も強まり、もう辺りは暗くなってきていたので、早くしなきゃ!

 「大丈夫だよ、大丈夫。怖くないから、いい子にしててね」と話かけながら、そっとタオルをかけて捕まえ、自分のバスケットへ移しました。その様子を見ていた発見者の女性が、「わ、うまい!さすが」と、小躍りして褒めてくれました。せっかく褒めてもらったのだけれど、それほどレスキューの数はこなしてないし、なによりペンギンは初めてなんですけど~…(^^;

 発見者の2人にお礼と別れを告げ、怪我をしているかもしれないので、急いで病院へ。

 受付のスタッフに「野生のペンギンなんですが、怪我をしているかもしれないので、念のため見て欲しい」と告げると、「えぇ?ペンギン??」とちょっとビックリしていました。さすがに動物病院といえども、ペンギンが診察に訪れることなど、そうそうないでしょうから(笑)。

先生がカゴから取り出したら、羽をバタバタさせて暴れるペンギン先生がカゴから取り出したら、羽をバタバタさせて暴れるペンちゃん

 先生が診察台へと取り出し、体中のあちこちを検診してくれました。とりあえず外傷はなし。この日は強風が吹き荒れており、波も高く、海が非常に荒れていたので、餌を取りに行ったペンちゃんが、荒波に打ち返されて岩などに衝突し、脳震盪等を起こしてうずくまっていただけなのかもしれません。とにかく無事でなにより♪

 カゴから取り出す時にちょっとバタバタと暴れたけれど、見た目もきれいで羽が青くツヤツヤと光っています。とても元気そう♪ 私が抱っこした時にほとんど動かず大人しかったのは、犬に驚いたのといきなり人間が来て捕まえられたので怖かっただけのようです。先生に大丈夫とのお墨付きをもらい、ひと安心!

ペンギンを検診中!ペンギン、検診中!

 病院ではこの間、突然の珍客にちょっとした騒ぎになっておりました。代わる代わるスタッフが見に来たり、診察した先生ですら「ちょっと記念撮影を」なんて、自分の携帯電話で写真を撮ってもらっていたほど(笑)。ペンちゃんはこの後、鳥類コーディネーターに引渡し、そこで何日か過ごした後、動物園に保護されるか、野生に戻されることになると思います。

 さて、思いがけず、野生のペンギンを抱っこする機会に恵まれた(?)わけですが、ペンギンの感触はというと・・・・・・なんだか、ボンレスハムのよう。体全体に脂肪がたっぷり付いていて、ボヨヨ~ン&ブニャ~という感じでした…(^^;

先生も珍しかったらしく、ペンギンと記念撮影先生も珍しかったらしく、ペンギンと記念撮影

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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日本こそ、世界一の地熱発電先進国に!

鹿児島・山川の地熱発電所
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 原発事故の収束がまったく見えてこない。人間が何でもコントロールできると思っていた人たちの、浅はかな知識が、まるで根拠のない架空のものであったと認識させられた今回の事故。自然の力を舐めていたのだとしか、言いようがない…。

 流れは『脱原発』→『自然エネルギー』へと注目されつつある。ただ、何度も色々なところで言っているが、一見すべてが素晴らしいように思える自然エネルギーも今はまだ完全ではなく、様々な角度から見ると問題が山積している。導入には、熟考が必要だ。

 特に風力発電については、風車が回る音などが周囲の生態系に及ぼす影響が大きく、たとえ海洋に作ったとしても周囲に生息していたイルカなどの大型海洋生物がいなくなったり、魚の種類が激減するなど、漁業へのダメージも指摘されている。また、日本では落雷による破損が多く、いまだに赤字だという。

 太陽光発電は音も出ず、周囲への影響はほとんどないのだが、発電効率の悪さと耐久性に不安が残る。各家庭ごとの導入は大いに推奨したいところだが、大型発電所となるとどうか、、という感じだ。

 そこで、火山国であり、数多くの温泉が噴出している日本だからこその地熱発電にもっと力を入れてみてはどうか?と思う。日本では、現在でも自家発電を含め、18ヶ所で地熱を利用した発電をしているそうだ。

鹿児島・山川の地熱発電所鹿児島・山川の地熱発電所

 発電効率からいえば、それほどのものではない…という人もいるかもしれないが、日本のあちらこちらで温泉が出るのだから、地域ごとであれば利用可能なのではないだろうか?現に、オーストラリアのような火山もなく、温泉もほとんど出ていないような国でも地熱発電を利用している地区があるのだから。

 地熱発電は、元々自然にあるもの、湧出している余剰の熱エネルギーを利用するのであるから、燃料は不要でCO2はほとんど出ないし、規模にもよるが、基本的に安定した発電量を得られるなど、環境にも優しく、ほぼいいことづくめなのだ。

 しかも、日本は地熱発電技術では世界トップを誇る。発電設備の世界シェア第1位は、富士電機システムズだそうだ。これだけ役者(? いや条件)が揃っているのに、力を入れないというのはいかがなものかと思ってしまう…。

 今だからこそ、地熱利用に再注目を!おそらく今考えられる、最もクリーンで効率的な発電方法だと思う。

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