潤沢なウラン鉱脈クーンガラ、世界遺産のカカドゥに組入れ決定!

湿原に沈む夕陽を一望できる絶景ポイント、カカドゥ国立公園
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 50億ドルの巨額オファーに目もくれず、ただひたすら先祖から受け継いだ土地を守った男、ジェフリー・リー。今年40歳になる先住民アボリジニのジェフリーは、子供の頃から一族と共に自分たちの土地を守るために戦ってきた。その歳月は30年以上。

 ”This is my country. Look, it’s beautiful and I fear somebody will disturb it,” 「ここは私の故郷だ。見てごらん、こんなにも美しい。私はこれを何者にも侵害されたくないんだ」

 1981年、隣接するエリアが世界遺産に登録された。「カカドゥ国立公園」だ。カカドゥの国立公園及び世界遺産エリアはその後も、1987年と1992年に拡大・追加登録され、クーンガラ地区も組入れて欲しいと訴え続けてきた。それが、本日2011年6月28日、ようやく叶った!クーンガラ地区が世界遺産指定エリアになることで、この土地は永遠に守られることになる。(参照記事

夢を見てるかと思うほど美しい湿原が広がる、カカドゥ国立公園

推定埋蔵量14,000トン!世界有数のウラン鉱脈が眠るクーンガラ

 2011年度の世界遺産委員会で、世界遺産であるカカドゥ国立公園への組入れが決まった「Koongarra クーンガラ」。この土地には、推定埋蔵量14,000トンという世界有数のウラン鉱脈が眠っている。オーストラリア政府がこのエリアの追加登録を世界遺産委員会へ申請することを受け、フランスの大手原子力企業であるアレバ社から圧力がかかった。

 アレバ社は2007年にも、このエリアの長であるジェフリーへ採掘権と引換えに「50億ドルの巨額オファー」を申し出、無下にも断られていた。数々の姑息な手を打って、何とかウラン鉱脈を手に入れようとしたアレバ社の企みも、今回の世界遺産登録決定で、露と消えた。ジェフリーら一族の30年にも及ぶ主張が支持され、勝利したのだ!

50億ドルの巨額オファーを断り、故郷を守った男

 ジェフリーは、アレバ社からの巨額オファーを断った時、当地のメディアにこう語っている。

「あそこは聖なる地なんだ。(先祖が)眠っている。あそこには、私が守っていく責任のある特別な場所が他にもあるんだよ」

「私は白人のオファー=申し出には興味がない。それは、何の意味もないからね」

「私はお金にも興味がない。自分には仕事もある、食べ物も買える。釣りにも狩りにも行ける。それだけで十分じゃないか」

「私は祖母におんぶされて、この土地の隅々を行き交った。そこでたくさんの話を聞き、この土地のすべてを学んだ。私はこれを私の子供たちに渡さ(伝え)なきゃいけない」

「私の父や祖母だったら、この土地を採掘することに合意し、明け渡していたかもしれない。でも私は成長する中で、この土地に埋まっているそれら(ウラン)には毒性があることを学んだ」

「私の父や祖父は、車や家など他にもたくさんの申し出を受けた。でも、誰もウランがどういうものかという説明はしなかったのさ」

世界遺産に登録される直前のジェフリーのコメント

(6/29追加)
世界遺産に組入れが決定した日のジェフリーのコメントもまた、素晴しい!人間の本当の幸せとは何か、人間はどうあるべきなのかを教えてくれます。

 故郷を愛する気持ちが勝利した、今回の決定。オーストラリア政府の首相、環境相をはじめ、国内メディアからも賞賛の声が上がっています。(首相コメントおよびリリース環境相コメント

 地球上にある35%という世界一のウラン埋蔵量を有すオーストラリア。この大陸自体が奇跡のような土地なのだから、いっそのこと『オーストラリア全土』を世界遺産にしちゃえばいいのに。そうすれば、ウラン採掘もできなくなる…とか思ったりして。(^^;

【参考】

【参考コラム】
【オーストラリアの世界遺産】カカドゥ国立公園
原子力産業の魔の手から故郷を守った男、その後

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

再生可能エネルギー:注目されるオーストラリアの太陽+火力ハイブリッド発電システム

世界一の太陽発電搭載発電所を目指すコーガンクリーク発電所
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 原子力発電で必要とされる燃料ウランは、オーストラリアが世界の70%の埋蔵量を誇ります。輸出シェアはカナダのほうが上だそうですが、それでもトップクラスの輸出国には違いありません。ですが、オーストラリアには原発はありません。国内の反対はもとより、それ以外の資源も豊富にあり、中でも火力発電燃料として最も効率のよい石炭の埋蔵量も豊富です。

 そのため現在は火力発電が中心ではありますが、地域毎に様々な燃料を使った発電方法が試みられています。オーストラリアは固有の生態系を守るために、行政側でも厳しい規制を設けており、また、国民意識も高いため、環境破壊に繋がることは極力避ける方向で動いています。[注1]

世界最大級の太陽光発電所を建設中のオーストラリア

ビクトリア州に世界最大級の太陽光発電所を建設中のソーラーシステム社  オーストラリアは、すでに各所で太陽光発電を実施しており、現在、太陽光発電所は着工済み未稼働のものを含めると44ヶ所(参照)。2009年に着工し、ビクトリア州北東部で建設が進められている、154メガワットの発電ができる世界最大級の太陽光発電所は、2015年の完成、2016年からの供給開始を目指しています(参照)。

 また2009年には、これまでも何度か構想に上がっていた1,000メガワットの発電が可能な、文字通り、世界最大の太陽光発電所=メガ・ソーラーパワー・ステーション(参考記事)のような発電所を14億豪ドル=現在のレートで約1,260億円を掛けて建設する構想を発表しました(参考記事)。

得意分野を統合した太陽+火力のハイブリッド発電システム

 オーストラリア、とりわけクイーンズランド州は『サンシャイン・ステート=太陽降り注ぐ州』と呼ばれるほど、年間晴天率が高く、太陽光発電に最適な環境があります。太陽光発電=ソーラーパネルによって電力を生み出すというのが一般的な発想ですが、これは実は非常に効率が悪く、上で紹介したビクトリア州に建設中の世界最大級の太陽光発電所でも、現在オーストラリアで稼動中の大型火力発電所1基分の電力しか作れません。

 太陽光では、1,000メガワット=100万キロワットの発電に必要なソーラーパネルを設置するのに、必要な敷地面積は67平方キロメートルだそうですから、東京ドーム約1,443個分に相当。土地は広大なオーストラリアですが、これではいかんせん効率が悪い…。また、稼動中の火力発電所を利用しながら、何とかできないだろうか?ということから考えられたのが、ここでご紹介する新発想の発電システムです。

 オーストラリアの重要な資源であり、世界最大の輸出量を誇る石炭。豪政府は、サンサンと降り注ぐ太陽と豊富に埋蔵されている石炭、この2つの得意分野を組み合わせたハイブリッドな発電所を今年4月に着工しました。

コーガンクリークに建設中のソーラーフィールド この取り組みは、石炭の町として知られるクイーンズランド州のコーガン・クリークに建設中の『ソーラー・ブースト・プロジェクト』と呼ばれるもので、これまでのソーラー発電の発想とは、全く異なるものです。現在稼動中の火力発電所にソーラーシステムを付加することで、両方の利点を利用する。

 簡単に言ってしまえば、巨大な太陽熱温水器+火力ボイラーによる発電所…といった感じでしょうか。太陽熱温水器は日本での利用者も多いのでご存知かと思いますが、太陽熱で水を温め、ある程度の湯温にするのは比較的容易です。この仕組みを利用し、ある程度まで温まったお湯から、さらに多くの水蒸気を発生させるために、足りない部分を火力によって補うという発想です。

 具体的には、フランス・アレバ子会社の小型線状フレネル反射器(Compact Linear Fresnel Reflector)を使った、既存発電所における蒸気発生をより高める過熱太陽蒸気技術(Superheated Solar Steam Technology)で、発電と燃料の効率アップを目的としています(参考記事)。

 コーガン・クリークのソーラー・ブースト・プロジェクトの仕組みは、ざっと以下のような感じです。

<コーガン・クリーク太陽熱発電の仕組み> ※番号は図に合わせたものではありません。
コーガン・クリークの太陽光+火力のハイブリッド発電プロジェクト

  1. 現在稼動中の火力発電所の横に、ソーラーフィールド=太陽熱システムを設置。
  2. 空冷で得た水をパイプを通じて、太陽熱システムへ分配する。
  3. 太陽エネルギーで温められた水から蒸気が発生。
  4. 蒸気をさらに加熱し、電気を生成するための中間圧力タービンへ。
  5. 火力発電所で太陽熱でできた温水をさらに加熱し、蒸気をより多く発生させてタービンへ。
  6. 蒸気でタービンを回し、発電プロセスへ。
  7. 発電後は、蒸気を空気冷却凝縮器に送って再び液化(水に)し、再利用する。

 注目すべきは、ソーラーパワー(太陽熱の力)を最大限利用する点と、使った蒸気を再び水に戻して再利用する点。これにより、より少ない燃料で済み、何より石炭を燃やす量がグっと減るため、CO2削減も可能です。発表によれば、この仕組みで年間35,000トンのCO2が削減できると言われています。

 また、このシステムであれば、従来の発電所に併設することで、着工から2年程度で設置可能。コーガン・クリークの場合は、2013年の完成を目指し、この太陽熱システムによって最大44メガワット(太陽熱ピーク時)の発電が見込まれています。完成すれば、世界最大のソーラーテクノロジー統合火力発電所になる予定だそうです。

孫氏が提唱する太陽光発電プロジェクトに意義あり!

 ソフトバンクの孫正義社長が提唱する太陽光発電プロジェクトは、休耕田や耕作放棄地を利用して、太陽光発電装置を設置するというものだそうですが(…これにより、孫氏は「50ギガワット、つまり原発50基分の発電ができる」と発言(参考記事)…)、個人的には、その休耕田や耕作放棄地は、本来の目的通り、農業に使うべきと考えます。

 東京電力の公式発表さえ『原発1~3号機がメルトダウン』していることを認めた現状では、福島をはじめ、近隣県の汚染も著しく、とても農作物を育てる環境では無くなっています。ですから、西日本で余っている田畑は、すべて本来の目的で再利用すべし。ただでさえ、食料自給率が低いとされている日本なのですから、足りない人手は福島など原発被災地の農家の皆さんに移住してもらうなどして、余すところなく、農作物を作るべきです。

 また、(現時点での)太陽光発電の効率の悪さは上にも記しましたが、具体的に日本に置き換えれば、現在の原発の発電能力をすべて太陽光に置き換えた場合、3,272平方キロメートルの敷地=東京都(2,187平方キロメートル)+大阪府(1,896平方キロメートル)の半分以上が必要になる計算だそうです(参考記事)。

 広大な土地を有し、晴天率も高く、太陽が容赦なく降り注ぐオーストラリアでさえ、ある意味、二の足を踏むほど効率の悪い太陽光発電。太陽光発電所の最大出力は、太陽の力を100%利用できた時のみ、あくまでも太陽光のピーク時の数字であることを認識する必要があります。

 ですから、ただでさえ国土が狭く、おまけに(いくら現在使ってないとはいえ)田畑を使う案では、食料自給率も低いとされる日本には適さないと思う次第。日本で太陽の力を利用するなら、現在の発電所を生かすコーガン・クリークのプロジェクトのような、ハイブリッド・システムが最もふさわしいと思うのです。

【参考資料】

[注1]とはいえ、現在のオーストラリアは、ウランや石炭採掘及び輸出をはじめ、火力発電がメインになっていることで、「環境に優しくない」と言われることがあります。WWFオーストリアによれば、オーストラリア国民一人当たりの温室効果ガス排出量は世界でも大きく、エコロジカル・フットプリント ecological footprint 数値の比較では調査対象国147カ国中6位と発表されました。ですが、私自身は(環境保護推進派でありますが)エコロジカルフットプリント、カーボンオフセットのようなものは、あくまでも机上の話と思っていますので、あしからず。

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Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。お気軽にお問い合わせください。

感動の名曲!今、私たちはひとつになる。We’ll Be One

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もう記憶の彼方になっている人も多いかもしれませんが、シドニーオリンピックの閉会式で歌われた楽曲「We’ll Be One」。メロディもさることながら、歌詞がなかなかよかったなぁと記憶していたので、もう一度引っ張り出してみました!

そしたら、思っていた通り、今、こんな時にこそ聞きたいスバラシイ歌詞!!感動したので、ここに書き留めておきます。歌ったのは当時13才だった女の子Nikki Webster。開会式にも出演し、歌を披露しました。「世界がひとつになるとき」をテーマに、あの歳にして感情たっぷりに歌い上げた彼女は天才ですね。

東日本巨大地震で、失われつつあった絆が今、見直されています。「共に手を取り合って、一緒に歩いていこう。終わりなんて信じない。一緒に、すべての世界へ希望と喜びをもたらそう」といった内容の歌詞は、こんな時だからこそ、希望の光を灯してくれるような気がします。一応日本語で意訳をつけてありますが、完璧ではありませんゆえ、ご勘弁を…(^^;

(注意)2番の歌詞は、オリンピック閉会式ならではの歌詞。聖火が燃える様子とオリンピアンたちがこの日を持って、この地(シドニー)を去ることを言っています。

We’ll Be One

I am a child who has a dream.
A dream to be strong;
to stand for where I’m from.
 
私は夢を持った子供
それは強くあり続ける夢
そして私がどこからやってきたかという夢

 
Now I can see all the world around me,
holding me close
in this world where we belong,
and I know in my heart we’ll be flying
for I believe the day has come
 
今私は自分を取り巻くすべての世界を見ることができる
私を抱き寄せて
私たちがいるこの世界で
私は知っている。心の中で、私たちは飛びたつことを
私はその日がやって来たと信じているから

 
when we’ll all raise our hands together
and hope that this day brings peace to all.
We can walk side by side forever
to follow our dreams
and hope that this means
We’ll be one
 
私たちは共に手を取り合い高くかざして
この日がすべてに平和をもたらすことを願おう
私たちは並んで一緒に歩いていける、ずっと
私たちの夢を追いかけて
「私たちはひとつになる」それを願いながら

 
 
I will remember forever
this day we say goodbye
to the heroes by our side,
and as the flame burns so brightly around us
shining a light
as it journeys on tonight.
 
私は永遠に忘れない
われらの英雄たちに別れを告げるこの日のことを
私たちの周りで炎がとても明るく燃えあがり
光輝く
そして今夜、旅立つ

 
So let’s all raise our hands together
and hope that this day brings peace to all.
We can walk side by side forever
to follow our dreams
and hope that this means
We’ll be one.
 
だから、共に手を取り合い、高くかざしてみよう
この日がすべてに平和をもたらすことを願って
私たちは並んで一緒に歩いていくことができる、ずっと
私たちの夢を追いかけて
「私たちはひとつになる」それを願いながら

 
I can’t believe the end has come
with friendships just begun,
where nations joined to be a better world;
so let’s reach up to the stars
together we’ll give hope and joy
to all the world.
 
私は終わりが来たなんて信じない
友情は今始まったばかり
国を越えて手を取りあい、よりよい世界を目指そう
さぁ、星に向かって手を伸ばしてみよう
一緒に。すべての世界へ希望と喜びをもたらそう

 
So let’s all raise our hands together,
So let’s all raise our hands together,
and hope that this day brings peace to all.
We can walk side by side forever
to follow our dreams
and hope that this means
We’ll be one;
and hope that this means
We’ll be one.
 
さぁ、共に手を取り合い、高くかざしてみよう
さぁ、共に手を取り合い、高くかざしてみよう
そして、この日がすべてに平和をもたらすことを願おう
私たちは並んで一緒に歩いていくことができる。ずっと
私たちの夢を追いかけて
「私たちはひとつになる」それを願いながら
「私たちはひとつになる」それを願いながら

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電気も水道もないオーストラリアのアウトバック(僻地)での暮らし

アウトバックで活躍するフライトドクター
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 オーストラリアは沿岸部の人口集中エリアを除き、ほとんどが人口数人から数百人程度の過疎地。こうしたリモートエリアは、アウトバックと呼ばれ、そこに暮らす人々の暮らしは想像以上に大変です。

 今回、東日本で大規模な地震が発生し、インフラが壊滅したりと、不便な暮らしを余儀なくされている方々も多いかと思います。また、都会でも計画停電などで不便を強いられている人も多いかと思いますし、今後の災害に備えて役立つことも多いと思うので、ここオーストラリアにおけるアウトバックでの暮らしは何かの参考になるではないかと思い、書き記すことにしました。

≪電気について≫

 電気は通ってませんので、基本的に自家発電です。ただ、今から被災地で自家発電というわけにはいかないとは思いますので、アウトバックでの暮らしぶりを紹介すると……

 極力節電するためもあり、日の出と共に起床、日没以後は早めに就寝。夜はランプの明かりなど、限られた明かりで過ごします。広く開けた場所があるなら松明などで明かりと暖をとります。ほとんどキャンプと同じですね。ただし、(余震も含め)地震発生の場合、火を使うことは火災発生の危険も伴いますので、可能な限り懐中電灯の利用がおすすめ。

 これから用意する場合、懐中電灯は机の上などに置けるランタン式があると便利です。また、外などを歩く場合は、頭に付けるタイプのヘッドライトが両手が使えるのでおすすめです。とくにお年寄りの場合、つまづいたりした時に手から懐中電灯が離れて真っ暗になることもあるかと思いますので、ヘッドライトなら安心です。

 電化製品は基本的に、冷蔵庫優先。とはいえ、開閉は極力少なくし、一日に何回と決めておいて、緊急でない限りは開けない。これでかなりの節電にもなりますし、保冷効果も少ない電力で可能です。また、中の物の腐敗速度も軽減できます。

 またアウトバックではないのですが、ここシドニーでも停電は日常茶飯事。冷凍庫には保冷材を常備。冷凍庫に余裕がある時は、水を入れたビニール袋やペットボトルを入れておきます。短時間ならそのままで、 長びきそうな時は、重要度の高いものから 順次少し大きめのアイスボックスに入替えたりすることで、かなり長時間の保冷が可能です。

 その他、不要なコンセントは抜くのはもちろん、テレビなども見終わったら必ず抜く。寝るときは、手元に懐中電灯を置き、トレイなどに起きた場合はそれを点灯。つまり、夜間は冷蔵庫のみが電源を使用している感じです。

≪具体的な野菜の保存方法≫

 イモ類や根菜類などはともかく、葉物野菜はとくに傷みが早いため、キャベツなどは芯の部分をくりぬき、湿らせた新聞紙を詰めておくと長持ちします。

 また、冷凍可能なものは、とりあえず何でも冷凍しておき、使う前に保冷が必要なものの周りをそれで囲んでおく。これで、解凍と冷却が一気にできますし、こんなものでも案外適度な“冷え”が得られますので、野菜類なら十分です。

≪水道について≫

 水道ももちろんありませんから、基本的に地下水を汲み上げられるところは地下水。それ以外にも雨水は必ず溜めておきます。各住宅に雨水タンクは必須で、家よりも大きなタンクを設置しているところもあるほど。(こちらで詳細をご紹介しています)

 水が濁っている場合は、以下のことを実践します。

1)底を切ったペットボトルを逆さまにし、その中に口から出ない程度の小石、炭(焚き火の燃え残り可)、砂、布の順番で入れる。
2)布の上から泥水を注ぎ、下から出てきた水を煮沸。

 これで泥水でも、ほぼ安全な飲料水になるようです。煮沸はできれば最低10分したほうが、より安全です。ただ、今回のように津波などで汚染物質の流出が考えられる場合は、確認してからにしてください。とはいえ、通常、食べなくても3週間は持つそうですが、水を摂取できないとほぼ確実に3日で命取りになるそうです。ご自分の判断で実践してください。

 また、アウトバックで遭難した場合に水を得る手段として、近くに草があれば、黒いビニールなどに青草を入れ、そのまま太陽の下にさらしておくだけでも草の水分が蒸発し、多少の水を得られます。

≪トイレについて≫

 水洗トイレも、もちろんありませんから、日本式でいうところの“ボットン便所”です。ですが、ほとんど臭いませんし、アウトバックでは基本的に汲み取りもしません。こちらではピットトイレと呼び、一般的にはコンポスト式トイレとして知られる、微生物処理トイレです。(これについても、こちらで書いていますのでご参照ください)

 今回の被災地でも、高台の家に非難している人がテレビの電話インタビューで、「トイレは困っていませんか?」という問いかけに対し、「簡易水洗なので、しばらくは大丈夫」と言ってましたが、やはり近代的設備は、こうした災害時に弱いのだなと実感しました。衛生的な問題もあるかと思いますが、旧式が一番なのかもしれません。

≪通信について≫

 電話回線はもちろん、携帯の電波も届かないところが多いので、主に衛星電話を利用しています。これは、今すぐに準備できるわけではないと思いますが、今後のために各自治体や隣保班などの単位で用意しておくといいかもしれません。

≪その他≫

 アウトバックの家庭では、ほぼ必ず犬を飼っています。これは、牧羊犬としてが主ですが、町へ買い物に行く時も必ず同行。もし万が一、悪天候などで遭難した時も犬がいるだけでも心強いですし、本当に道に迷ったときもアウトバックのような何の目印もない荒野では、犬の嗅覚が頼りになるからだそうです。

 また、病院などは近くにありませんから、フライング・ドクター(フライトドクター)が各家庭へ急行できるように配備されています。ですが、滑走路などはありませんので、開けた場所にランディング。ドクターの操縦技術もかなり高度なものが要求されます。

・・・以上、今気づく範囲で書き留めてみましたが、思い出せばまだ他にもあるかもしれませんので、気づいたら書き足したいと思います。

 アウトバックでは、買い物に行くのも数百キロ離れた町まで行かねばならないなど、通常都市部に暮らしている私達には思いもよらないほど、不便な暮らしをしています。といっても、彼らにとっては不便ではなく、当たり前の暮らしなのですが…(^^;

 ある意味、オージーはアウドドアの達人です。アウドドアでの知識は、こうした災害時にも十分役立つものばかり。今後に備えて、また、趣味と実益を兼ねてアウトドアやキャンプに目を向けてみるのもおすすめです。

 本当に世界が驚愕するほどの未曾有の災害ですが、被災地の方々、またこの災害で不便を強いられている方々、ぜひとも困難を克服して、頑張ってください!

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特集をアップ!オーストラリア美食案内 ~オーストラリアのグルメな旅ガイド~

オーストラリア美食案内 ~オーストラリアのグルメな旅ガイド~ レストラン、カフェ情報
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 @-Waveウェブ旅マガジン「たびまぐ」に、特集『オーストラリア美食案内 ~オーストラリアのグルメな旅ガイド~』をアップしました!

 オーストラリアの旅行情報を配信しているサイト「オーストラリアNOW トラベル」の2010~2011年2月までのグルメ情報を集めたものです。

 今後もこの特集ページにオーストラリアのレストランやカフェなど、食べるためのオイシイ情報をまとめていきたいと思っています。都市別など、一目でわかるようにしていく予定ですので、こまめにチェックしてみてください!

オーストラリア美食案内 ~オーストラリアのグルメな旅ガイド~ -オーストラリアのレストラン、カフェ情報まとめ特集ページ

オーストラリア美食案内 ~オーストラリアのグルメな旅ガイド~ レストラン、カフェ情報

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地球温暖化で鳥が小さくなっている!?

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 地球温暖化が叫ばれる昨今、実際に温暖化しているのか否か、定かではありませんが、気候は確実に変化していると実感します。

 昨年から今年にかけて、オーストラリアでは各地で大洪水に見舞われ、2月には超巨大化したモンスター・サイクロンが襲来。日本をはじめ、アメリカやヨーロッパなどの北半球でも豪雪に見舞われるなど、異常気象ともいうべき気候変動は地球規模で起こっているといえそうです。

 こうした気候の変化が、実際に地球上生物に与える影響はあるのでしょうか?

 2009年に発表された「気候変動で鳥が小さくなっている」という、ひとつの衝撃なレポートがあります。

 それは、オーストラリア国立大学のガードナー博士らの研究グループが、オーストラリアにおける鳥の生態を調べていたところ、同種の鳥のサイズを約1世紀前と比較すると、大きさ・羽の長さが約2%~4%近くも小さくなっていたことがわかった、というもの。鳥たちの中で最も縮小が顕著だったのは、オーストラリア東海岸に生息する「バリゲイティッド・フェアリーレン / Variegated Fairy-wren」という鳥(上写真)で、現在シドニー近郊で見られるサイズは、ちょうど1世紀くらい前にブリスベン近郊で見られたものと同サイズになっているとか。

 緯度にして、シドニーより7度ほど赤道に近いブリスベン。鳥類は、赤道に近いほど小さくなる傾向があるそうです。これは、ベルクマンの法則と言い、赤道近くに生息する鳥ほど小型で、高緯度になるほど大型化する傾向があると言われています。つまり、現在のシドニーは、昔ならブリスベンくらいの緯度と同程度の気候になってきているということに―。

 気候区分によると、シドニーは完全な温帯であるのに対し、ブリスベン・ゴールドコーストあたりは亜熱帯に属します。冬は氷が張るほどではないけれど、そこそこ寒くなるシドニーに比べ、ブリスベンおよびゴールドコーストあたりは冬でも日中は半袖でも過ごせるほど暖か。その違いは距離的にも、また気温差からみても、東京と高知くらいの差があります。(下の図はピンの位置がゴールドコーストになっていますが、距離感の参考に)

オーストラリアの上に日本を重ねた図注意)南半球では上が赤道に近くなります。

 たしかにシドニーでは近年、スコールのような通り雨が増えたり、どこか熱帯を思わせる鳥の鳴き声が聞こえたりするようになった気がします。これらを温暖化と呼べるのかどうかはわかりませんが、気候が亜熱帯化しているのではないか?と思うことは、他にも多々あり、間違いなく気候が変わってきているのだろうと実感せざるを得ません……。

【ANU Climate Change Instituteによるレポート】Australian Birds Shrinking, Climate Cause
【オーストラリアの気候と特徴】4つの気候帯 by オーストラリア政府観光局 – 教育旅行サイト(公式)

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鳥たちは知っていた !? 殺人サイクロンの脅威

増水するケアンズ郊外のバロン滝
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 2月3日午前0時頃、世界最大級の超大型サイクロン(南半球における台風)が、クイーンズランド北部に上陸し、大きな爪跡を残しました。現在でもまだ13万世帯以上が停電、様々なインフラも復旧していない状況です。

 今回のサイクロンの名称は、Yasi。聞きなれない感じですが、フィジー近海で発生したため、フィジー人の名前だそうです。(発音は、ヤシーor ヤッシー or ヤジーと人によって微妙に異なる)

 上陸地点は、ミッチョンビーチ付近。人口の集中するケアンズやタウンズビルをはじめ、グレートバリアリーフ観光のゲートウェイとしても人気の高いエリア。それだけに、発生当初より甚大な被害が懸念されていました。

 サイクロンYasiは、勢力をどんどん強めながらオーストラリア大陸に接近。サイクロンやハリケーンの強さを示すレベルで最高のカテゴリー5へと発達。 上陸寸前には、中心気圧922ヘクトパスカル、サイクロンの目(台風の目)は直径50kmにも及び、風速は最大290km/h(83メートルくらい?)、サイクロン全体の大きさは、なんとアメリカ大陸をも丸呑みしてしまいそうなほど巨大!!

世界最大級の超大型サイクロンYasiをアメリカの地図上に重ねた図

世界最大級の超大型サイクロンYasiをアメリカの地図上に重ねた図News.com.au

 これはもう、かつて誰も見たことのないほど超巨大な熱帯低気圧であり、国内メディアも「モンスター」と呼ぶほどに。その破壊力は、2006年に同地を襲ったサイクロン・ラリーや2005年にアメリカ南部で甚大な被害をもたらしたハリケーン・カトリーナをも上回るのではないかと推測されていたため、クイーンズランド州政府も速くから緊急事態宣言を発令し、対策本部を立ち上げるなど、早い段階で対応を始めていました。

 推測された最悪の事態は………サイクロンが上陸する時間が満潮時と重なるため、最大で潮位が6~7mも上がるのではないかということ。数メートルの高波の発生。そして、最大290km/hもの猛烈な風の破壊力。これは、巨大なトルネード(竜巻)並みです。もし、予測通り海面が上昇し、高波が押し寄せたとすれば、ケアンズの街は水没してしまうことに…。

 そんな最悪のシナリオをもとに、2月1日の午後までには一部の地域で強制避難勧告が出され、ケアンズでも数千人が避難所へ。それでも勧告を無視して居続けた人もいたようですが、幸運なことに人的被害は、自宅の締め切った室内で発電機を使っていてガス中毒で死亡した1名と、行方不明の夫婦2名のみ(2月5日現在)。これは、奇跡といっても過言ではありません!

 しかし、政府による勧告がなければ、一体どれだけの人々が避難、備えをしていたでしょうか?

 でも、、、

 鳥たちは、誰からも情報を得ることなく、自らのセンサーで自然の脅威をキャッチし、とっくに避難していたようです────

 サイクロン上陸地点に最も近いミッションビーチの裏手には、深い森が続いています。それは世界最古級の森であり、世界遺産としても登録されている太古からの熱帯雨林。

熱帯雨林は鳥たちの楽園

熱帯雨林は鳥たちの楽園

 そんな森に住んでいた住民から、貴重な証言が上がっていました。熱帯雨林に棲むたくさんの鳥たちのさえずりを毎日楽しんでいたというこの男性は、1月31日の朝、突然異変に気づきます。

 それまで毎日、驚くほど多くの鳥たちが、まるでコーラスを楽しむように鳴いていた森が、シーンと死んだように静まり返っていたのだそうです。何の音もしない、静寂の森……ただただ、数千年もの昔からこの地で生き続けてきた木々たちが、威圧的に鬱蒼と生い茂っているだけ。。。

 その何ともいえない不気味さに、「これは、尋常じゃない…」と感じたとか。

 この話は、鳥たちが殺人的パワーを持ったサイクロンがこのエリアを襲う異常事態に気づき、人間たちが行動を起こす1日前には別の場所へ移動していた・・・・・・と解釈できます。

 しかし、我々人間は、今、自分たちのほうへ向かっているサイクロンの存在もちろん、その大きさや破壊力なぞ、衛星等を利用した近代的なシステムを駆使しなければ、わかるはずもありません。しかも、サイクロン上陸の数時間前まで、太陽が出ていていいお天気だったようですから、きっと多くの人がそのまま “のほほん” と過ごしていたことでしょう。

 ところが、野生動物たちは自ら悟り、対処できている。もちろん中には、このエリアに生息するカソワリーという飛べない鳥のように、もしかして物理的に不可能な種もいるかもしれません。でも、世界的大惨事となったプーケット島周辺での津波の時にも、被災地では野生動物の死体はほとんど見つかっていないなど、彼らは独自に異常事態をキャッチできる能力を持ち合わせているよう。

 おそらくこうした感覚は、本来、生物すべてが持っているものなのではないでしょうか?
 でも……便利な文明の利器に頼りすぎて、人間はそれをなくしてしまった。

 私たち人間が失ってしまったものは、途方もなく大きいような気がしてなりません。。。

About Me
Miki Hirano平野 美紀 
自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。詳細なプロフィールはこちら。
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